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人生最後と最初のオナニー
【性転換/フタナリ 官能小説】

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人生最初のオナニー-3

ぼくはその場にしゃがんで、鏡越しに自分の股を覗いた。

自分の影で薄暗い場所で、筋の向こうにある女性器が覗き込んでいた。

ぼくはそこにそっと手で触れてみる。

中指に何か濡れたのを感じて、それを見ると指に透明な液体が付いていた。

これが愛液か、とそれを人差し指に付けて離すと、糸を引くように伸びる。

そのまま鼻に近づけてみると、愛液はほんのり尿の臭いがするくらいで、別に嫌な臭いだとは思わなかった。

むしろ、その臭いが僕をさらに興奮させていく。

地べたに座って、足をM字にして広げると、鏡に映る自分のその姿がイヤらしく見えて、身体をさらに熱くさせる。

あのワレメは、足が左右に広げられたことで中のピンク色が露わになり、興奮で血の巡りが良くなったそこは徐々に赤みを帯びて、染み出す愛液で艶やかに照っていた。

ゴクリと喉を鳴らして、ぼくはゆっくりと上端にある突起へと近づけていく。

クリトリスにどれだけ触れたら気持ち良いんだろう。想像を多感に膨らませて、それがそのまま期待へと変換される。

いざ、といよいよ指とクリトリスが触れ合い、ぼくはそのすぐ後襲って来るであろう大きな波に備えて身構える。

だけど実際に感じたのは、指に触れる生温い感触と、クリトリスから伝わる、何かに当たったという圧力の信号。あとは微かなくすぐったさにも似た、肩透かしの感覚だった。

「ええ……」

思わず落胆の声をあげてしまう。

頭が痺れてしまうような感覚を期待していたのに、たったこれだけ?

ぼくは完全に興奮が冷めてしまって、すくっと立ち上がった。

栓を捻ってシャワーの雨が降り注ぐ。その向こうに映る、今となって魅力が感じられない自分の裸体を見て、ため息を吐く。

「これなら……別に男のままでもよかったかな」

そんな本末転倒なことを言ってしまうほど落ち込んでいたとき、それは突然やってきた。

「……んんん!?」

胸から身体全体に一瞬で広がったそれは、紛れもない性の快感だった。

それは偶然だった。シャワーから降り注いだ一滴の雫が、ぼくの乳首に当たったのだ。

ぼくは恐る恐る、今度自分の手で乳首に衝撃を与えてみる。

黒褐色の突起を指でピンと軽めに弾く。

「……ああぁ!?」

胸から発信された信号が身体を駆け巡り、ぼくの中で気持ち良いという感情に変化して響き渡る。思わず声をあげてしまうほどだ。

今度は手で胸の膨らみを掴んで、揉みながら指で乳首に刺激を与えていく。

「あ……ヤバッ……」

その衝撃に足がガクッと力が抜けそうになって、鏡の壁に寄りかかった。

乳首からの鋭い感覚もそうだけど、乳房全体からじんわりと広がるそれも、快感を下から底上げしてくれているような感じがした。

胸全体からジワジワと広がる穏やかの波と、乳首の点から一瞬で駆け巡る激しい波。

その激しい波には二種類あって、乳首を指で摘まんで捻るときの長く続く波と、爪でカリッと引っかけたときの短く大きい波。

ぼくは気付かないうちにその二つを交互に、それも絶妙なタイミングで切り替えていっていた。

そして、ぼくが気付かなかったもう一つのこと。

胸を攻めていた手と逆側の手が、いつの間にかぼくのワレメをこすり続けていた。

依然として快感はさほどない。こすっているだけで、そこには何の生産性もない。

「なにしてるんだろ……ぼく」

その呟きに自ら同意した。いい加減止めようと思った。

だけど、そう考えているにも関わらず、手の動きが治まらない。むしろさっきより少しだけ早く、激しくなっている。

そして、変化が起きだした。

「……あ、あれ?おかしいな?気持ち……良い……?」

なんだか、こすっている場所がジンジン、ゾワゾワとする何かが現れだした。

そして、こすっている部分そのものにも変化が現れた。

……クチュ。

そんな音が聞こえて、弄る手にも何か濡れた感触を感じた。

鏡を使って自分の股を覗いてみると、ワレメの周りが染み出してきた愛液でテカっていた。

ワレメを指で広げると、鮮やかなピンク色の部分が見ても分かるぐらいに濡れていた。

それにワレメそのものにも変化が起きていて、クリトリスの部分がさっきよりも心なしか大きくなっていた。

さっきは触れても手応えがなくて、もう触れる必要はないと思っていたのに、紅潮したそれを見たら、たまらなくなって唾を飲み込んだ。

愛液で濡れた指をそっとクリトリスに添わせる。

「ん……ひっ……ひゃっ!?」

股から一瞬で脳へ快楽の電気信号が届いて、思わず声を漏らしてしまった。

皮が剥けたばかりの亀頭に触ったときにも似たような、痛みと快感が混じり合った感じ。だけど、今までの快楽の下地がある分、痛みがむしろ快感を引き立てる香辛料になって、より一層強くぼくの頭を痺れさせていった。


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