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「史乃」〜それから〜
【父娘相姦 官能小説】

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第一話-7

 「よしっ!トマト煮も出来たっと。」

 ポテトサラダに鰯のトマト煮。それにスーパーで買ってきた刺身──。何とも奇妙な献立だが、要は寿明の好きな料理ばかりを作ったという訳だ。
 史乃が壁の時計に目を向けると、時刻は午後七時半を示している。既に、帰宅から二時間以上、経っていた。

 「後は待つだけだし、先にお風呂に入っちゃおっと。」

 史乃はエプロン姿のまま、キッチンを後にした。

 「おっと!忘れてた。」

 脱衣場に赴いた史乃は、記憶から消えていた今朝の出来事を、すっかり思い出していた。
 洗濯済みのパジャマやシーツ、下着が洗濯機の中から出てきたからだ。

 「先に、持って行かなくちゃ。」

 史乃の頬が赤くなる。何時、寿明が帰宅するか判らない。見つかって彼是と訊ねられると、色々と面倒なことになる。
 史乃は、引ったくるように洗濯済みの物を両腕で抱え込むと、自室へと駆け込み、ベッド上に放り投げた。

 「これで、よしっと!」

 証拠隠滅に成功した史乃は、部屋を出ると、鼻歌混じりに階下へと降りていった。




 午後十時──。なんとか最終便に間に合った寿明は、地元の空港に降り立った。
 後は、空港に隣接する駐車場に預けた車を運転すれば、三十分もすれば自宅である。寿明は運転席側のドアを開け、車に乗り込もうとした。

 「おや……?」

 座席に乗った途端、寿明は異変に気付いた。
 やや、右側に車が傾いているのだ。
 一旦、車を降りて確認すると、右の前輪タイヤがパンクしているではないか。

「なんてこった!今日の俺は、余程、運が悪いんだな。」

 寿明は苦々しい顔で、思わずパンクしたタイヤを蹴った。

 (今から業者を呼んでも、一時間以上は掛かってしまうし……。)

 腕時計は、午後十時二十分を指していた。
 寿明は意を決して車のトランクを開けると、工具とタイヤを取り出した。
 国内で販売されるどの車も、万が一に備えて必要最低限の工具と交換用タイヤを搭載している。そして、自動車運転免許取得者の誰もが、タイヤ等の交換作業は習っている。
 とはいえ、寿明が免許を取得して二十五年近くになるが、タイヤ交換とは無縁に過ごしてきた。

 「なんとかしないと……。史乃が待ってる。」

 時間的猶予が迫る中、寿明は作業用手袋を着けると、ジャッキを車の側面、交換するタイヤの傍にセットし、ハンドルを回して車体を持ち上げていく。
 車体が持ち上がり始め、回すハンドルが急に重くなる。やがて寿明の息が上がり始めた。

 「くっ……。日頃の、運動不足が……。ここでも祟ってるな。」

 空港まで一時間近く走り、そして今、力仕事を是非もなく行わされている。その根底にあるのは、史乃との約束を厳守したいという想いだけ。

 「こ、これで……。大丈夫だな。」

 ようやく、交換するタイヤが地面から宙に浮き上がる。寿明は傍らの工具箱からX型レンチを取り出し、タイヤを固定しているナットに掛けた。


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