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満里子
【フェチ/マニア 官能小説】

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満里子-5

 むしろやたらに見せたがるのは優輝の方である。優輝は女を裸にして外を歩かせたりするのは嫌いだが、裸に近い格好をさせて一緒に出歩くのが好きである。下着なんか覗けてしまうようなミニスカートを穿かせるのが大好きで、そんな時は階段や坂道を意図して歩かせたりするから露出狂と言うべきは優輝の方なのである。
 しかし優輝としては自分を露出狂だなどとは思っていない。今時下着が見えるくらいは大したことはないと思っているだけなのである。ヒップハンガーと言ってやたらに股上の浅いジーンズを穿いて下着の上端をのぞかせて歩いているのが今は流行しているではないか。そんなのより下から見える方が遙かに美的だと思う。つまり美的センスが一般と異なるだけだと思っているから、女を裸にして外を歩かせるとか公園でセックスするとかの趣味は無い。部屋の中だろうと第三者を交えて乱交したいなどとは思わないから自分ではあくまでも正常だと思っている。唯セクシーな服装の女と歩くのが好きで、周囲の男が羨望の眼差しで連れの女性を見てくれるとこよなく嬉しい。だから唯セクシーな服装をすればいいというのではなく、余程良い女でなければならないのである。ブスがあちこち露出した服装をするのは顔を服装で補っているみたいな感じがして余計ブスのブス振りが目立つ。だから満里子は優輝にとっては理想的な女性だった。

 「それでトイレに行く時はどうするの?」
 「どうすると思う?」
 「全部脱ぐのか?」
 「それしか無いでしょう」
 「そうだな」

 ところが満里子は女性には良くあることだがトイレが近い。ちょっと貯まると我慢出来なくなる質のようで、ちょくちょくトイレに行く。まして飲んだりすれば余計トイレが近くなるのは道理である筈だが、自分で分かっていてそういう服を着るのだからお洒落というのは面倒くさいなどと言っていたら出来ないということなのだろう。
 店にいる男達の注目の的になるのは二人とも慣れているから平然として飲んでいる。いや、満里子は平然としているが優輝はゾクゾクする程嬉しい。自分の女がセクシーな服装をしてくれるのはそれだけで嬉しいことだが、周囲の男性が羨ましい顔で眺めてくれるのを見るのはもっと嬉しいことなのである。透けてはいないが、薄く伸びきったゴムの服だからタイツの編み目ははっきりと浮き出ている。それでなくともタイツは袖が手首まであり、胸も喉元まであるから全身タイツであることは誰が見ても分かる。派手な服装に相応しい派手な身振りでカラオケを歌うと席に戻るなり座りもせずに、
 「トイレに行ってくる」と行ってトイレに向かった。今頃悪戦苦闘して素っ裸になっているのだろうなと考えていたら思いの外早く帰ってきた。トイレで香水を付けてきたのか、プアゾンの濃厚な香りが優輝の鼻を刺した。

 「随分早かったじゃないか」
 「うん」
 「全部脱いで裸になったのか?」
 「そうするつもりだったけど間に合わなかった」
 「間に合わなかったって?」
 「そんなことしてる暇がなかった」
 「それじゃどうした?」
 「もう入った途端に我慢出来なくてそのまま座っちゃった」
 「え? と言うことはそのタイツ穿いたままおしっこしたの?」
 「うん」
 「それじゃ濡れただろう」
 「うん」
 「良く拭いて来たのか?」
 「うん」
 「臭くなるぞ」
 「だから香水振りかけて来た」
 「なるほど、それでか」
 「体が震えちゃった」
 「そんなに我慢することないのに」
 「そうじゃなくて服を着たまましたでしょう? 異常なことだから何か興奮したみたい」
 「ほーう。そういう趣味があったのか」
 「分からないけど、そうみたい」
 「それはいいことだ。そんな美人が変態だなんて」
 「どうして?」
 「服を着たままおしっこして感じるというのは変態だろう」


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