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満里子
【フェチ/マニア 官能小説】

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満里子-29

左手にいるカップルの女性は特に変わったことはしていなくて、それでも普通より小さいレースの白い下着を身につけていた。優輝は此処へ来るまでは見られることばかり考えていたのだが、此処へ来てからは見てばかりいた。目が点になるという表現があるけれども、そんな感じで見ていた。その白いレースの下着を穿いた女性が四組のカップルの中で1番先にセックスを始めた。座った男の上に男と同じ向きに跨って座った。つまり他のカップル達の方を向いて結合したのである。
満里子はさっきから元気のない優輝の性器を吸い続けていた。それが元気に聳えていれば満里子が真っ先にセックスしたに違いない。しかし此処へ来る前に立たないかもしれない、僕は自信がない、それでも文句を言うなよと何度も念を押してあった。だから立たなくても満里子に咎められることはないが、口で愛撫されればいくらなんでも立ってしまう。それに他の3組のセックスは凄いものだった。女達はこういうところで互いに張り合うのか、既に始まって何分も経っていないというのに派手な声を上げている。いや、張り合うのは何も女達だけではない。男達だって他のカップルに負けまいと必死に自分の女を責めまくっているのだ。満里子は優輝の性器が元気になると飛び跳ねるようにして跨った。女は他人のセックスを見たいのではなく、自分のセックスを見せたいのだろうか。いずれもキョロキョロしたりせずにそれぞれの男にしがみついている。満里子もいつもに増して熱が入っているが、一生懸命に動いているだけで、他のカップルの様子を窺うことはしていない。男達はいずれも他のカップルをチラチラ見ながらやっている。優輝は満里子にされるがままで自分の方からは何もしていないのだが、目だけは忙しく動かしていた。
1番初めにセックスを始めた左手にいるカップルが最も激しくて、女の妖しい動きと部屋の中に響き渡るような大きな嬌声が厭らしい。優輝の脳天に電気が走る程の刺激を与えてくれた。あんな風に体をくねらせて甘い声を出す女もいる。既に女の体は汗びっしょりで、水を被ったように濡れていた。やっていることは要するにセックスで、それ自体は何ら珍しいことでも無いのだが、その女性の反応は酷く官能を刺激した。尤も満里子とセックスしながら見ていたのだからそれで感じたのかどうかは知らない。満里子だって他の男達には酷く刺激的に見えたに違い無い。どの男も食い入るように満里子を見つめていた。と言うことは優輝も見られていたということになる訳である。しかし見ることに夢中で、思っていた程見られることに抵抗は無かった。
3時間くらい其処で過ごしたのだが、後半は左手のカップルと右手の縄掛けされていた女が3人一緒になって何かしていた。縄掛けされた女の連れの男は1人で飲みながら満足そうに見ていた。正面のカップルは優輝達と同様、二人だけでいつまでも絡み合っていた。満里子は他の男性に抱かれたいという欲求は無かったようで、ただ優輝を相手にセックスしただけで十分に満足してくれた。出がけに白いレースの下着の女と一緒に来ていた男から話しかけられ、名刺を渡された。優輝は名刺など持ってこなかったし、たとえ持っていてもそんなところで知り合った男と名刺交換などしたくない。しかし男は一向に気にする様子もなく、
 「いやいやそちらの名刺を頂戴したいとは申しませんから。もし、良かったら今度4人だけでお会いしたいと思いまして。気が向いたらお電話下さい」
 と言ってあっさり離れていった。女はまるで一〇代の女の子が着るようなミニのスリップドレスを着ていて、幼い顔が余計幼く見えた。しかしこんな幼い顔をして一番激しいセックスを展開したのはこの女なのである。彼女は優輝を酷く刺激してくれたが、だからと言ってこのカップルとスワップ・パーティーみたいなことはしたくない。いや、世界一の美人であってもスワップなんていうのはやりたくない。名刺には名のある会社の課長の肩書きがあり、確認すれば直ぐに分かることだから、嘘ではないのだろう。勿論電話は自宅にしてくれということで裏に手書きしたのだが、会社の名刺を渡したのは怪しい者ではないから確認してくれて結構という意味合いなのだろう。


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