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満里子
【フェチ/マニア 官能小説】

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満里子-12

 「いや、本当。結婚してしぼんだんじゃなくて子供を産んでしぼんだんだけど、彼女とは子供が出来てから結婚したから、結婚してしぼんだっていう印象なんだ」
 「子供が出来るとしぼむのかしら」
 「そうみたいだな」
 「私も、そしたらしぼむのかしら」
 「子供は出来ないんだろ?」
 「分からないじゃない」
 「まず出来ないでしょうって医者に言われたんじゃないのか」
 「だからちょっとは可能性があるってことじゃないの」
 「子供が欲しいのか?」
 「優ちゃんは欲しくないの?」
 「欲しくない」
 「どうして?」
 「満里子にお母さんになって欲しくない」
 「何で? 私が産めば私がお母さんになるの当たり前じゃないの」
 「だから満里子には良妻賢母ではなくて娼婦でいて欲しいってことさ」
 「ああ、そういう意味か」
 「そう」
 「子供が出来たって娼婦みたいでいることは出来るよ」
 「それは無理さ」
 「そんなことないでしょ。娼婦だって子供は産むし、子供を育てながら娼婦やってる人だっているじゃない」
 「だから、そういう人は家にいるときは母親の顔、仕事で外に出る時は娼婦の顔になるんだ」
 「だから私も子育ての時は母親の顔、優ちゃんの相手する時は娼婦の顔になればいいんでしょ?」
 「別の家に住んでいるならそう出来るだろうけど、子供も一緒に3人で住んでいればそうはいかないさ」
 「そうねえ。確かに」
 「そうだろ?」
 「ねえ、そうしたら何で奥さんと結婚したの? 私みたいにセクシーな女と結婚すれば良かったのに」
 「そうしたら僕はそれで満足して満里子とこんな関係にはなっていなかっただろ?」
 「そうだけど、真面目な話どうして? 奥さんの何処に惹かれたの? やっぱり取り澄ましていたから?」
 「いや、正直言うと僕自身どういう女性が好きなのかまだ自分の好みがはっきりと分かっていなかった。ただ偶々彼女と親しくなったから深く考えもしないで結婚してしまった。それに派手な服装は昔から好きだったけれど、彼女が言うように娼婦みたいに派手な服装という程ではなかった。段々自分の性癖がエスカレートして来て、彼女が言うとおり娼婦みたいな服装が好きになったきた」
 「それなら分かるわ。自分の好みって若い時には分からないものなのよね」
 「そうだ」

 満里子は以前付き合っていた男とのセックスをあけすけに語るようなことはなく、むしろその点は普通の女性よりも道義を弁えていた。優輝も満里子の過去の性体験を聞きたがる方ではないから、そういう話題は殆ど二人の間で交わされることが無かった。けれども、一緒に住んで長くなると折々に少しずつ漏らすことがあるから、自然と分かってくる。
 以前付き合っていた男というのは非常に嫉妬深い男だったらしい。優輝と同様満里子にセクシーな服装をさせたがるのに、そのセクシーな服装の満里子が他の男に馴れ馴れしい態度を取ることを極端に嫌ったという。セックスはしつこかったという以上には満里子はあかさなかったが、ある時ポロッと1日中性的に責められたことがあると漏らした。優輝が興味を引かれて聞くと、満里子の心が彼から離れていくに連れて、男のやることが常軌を逸していき、激しくてしつこい愛撫と性技に終始したという。最後の方は異常なことをされ続けたのだという。
 「それは満里子を何とか体でつなぎ止めておきたくて、そんなことをしたんだろうな。だけど、体で人の心を支配するなんてことは出来る訳がない」
 「でも心は離れているのに体が言うことをきかないってことは本当にあるわよ」
 「ほーう。すると好きでなくなったのに体がやって欲しいと疼いて離れられなくなったのか」
 「まあ、そんな感じ」
 「でも結局は別れたんじゃないか。最後は逆に捨てられたのか?」
 「違うわ。私が心を鬼にして振り切ったのよ」
 「で、どんなことをされた?」
 「しつこく追い回された」
 「違う。体が言うことを聞かないっていう奴さ。どんなことをされるとそうなるんだ?」
 「別に普通のことよ」
 「普通のことでそうなる訳は無いじゃないか」
 「だから1日中やるっていうだけ」
 「セックスを?」
 「そう」


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