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君と僕との狂騒曲
【ショタ 官能小説】

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君と僕との狂騒曲-18


 僕らが一級になってしばらく経ったとき、ちょっとした事件があった。ガールスカウトの誕生である。正式にはガールスカウト東京53団という名で、本拠地はボーイスカウトと同じ教会とスカウトハウスの一室(四畳半の方)で、くすんでいたスカウトハウスはにわかに活性化した。やっぱり男だけだとバンカラな風潮に染まりやすく、気のせいかスカウトハウスは汗のにおいが染みこんでいた。

 びっくりしたのは、学校でも評判の高いふたりが入ったことだ。

 「大渡」というのはすらりと背が高く、黒目がちのとびきりの美人で、無口ながらその実結構進んでいる女の子として知られていた。もう一人は「久美子」で、眼が細くいつも笑っていて、そばかすがチャームポイントのかわいい子で、胸がすごく大きくて、ウエストは57センチ以下、ヒップは胸と同じぐらいのボリュームがあり、学校で一番のとんでもないグラマーだった。

 大串は早くも舞い上がり、財布にコンドームを入れていた。さすがに僕は呆れたが、「何かあった時失礼じゃないか」と断固として言い張った。なにが失礼になるのだろう。

 少なくとも彼女らのおかげでスカウトハウスの厨房やトイレは見違えるように綺麗になった。しかし、ガールスカウトは僕らがカブスカウトの時にやらされていた募金活動のような事が主な活動で、「街のマスコット・ガール」のような存在でしかなかった。もし一緒にキャンプすることが出来たら、森の暮らしを楽しめただろうに、残念だった。

 しかし制服は洒落ていて、ボーイスカウトの制服ぐらいたくさんのポケットが付いていて、ネッカチーフは僕らの緑と黄色の絹で出来たものではなく、紺と白の清潔なイメージのナイロン製だった。特に大渡の制服姿は思わず口笛を吹きそうになるほど決まっていた。まあ、美人は何を着ていても似合うのだろうが。
               *
 新しいメンバーで生まれた「タイガー班」は、僕らのマイホーム・ヴァレーの整備も兼ねて、単独でウェルカム・キャンプを企画した。

 君は左袖に班長を表す二本線が入った肩章、僕は一本線の肩章をつけ、新しい部下を連れて出かけた。二級のフランケンシュタインみたいな長身の少年(みんなで「フランケン」と呼んだ)二人とも背の低い初級の二人と計五人。

 僕らは春の爽やかな霞のなか、泉につないである竹の誘導管を新しいものに換え、階段を木の枝と土とで作り直した。「タイガー班」はスワロー班の後を継ぐように、谷の一番高いところにキャンプを張った。そこは水場から一番近いけど、坂が急で階段を作らなくてはならなかった。僕は初級の二人を薪拾いに出し、フランケンと階段の整備をやった。

 君は新しい水場で、上半身裸になって身体を洗っていた。君は大人になるサインをほとんど持ってなかった。相変わらず選ばれた少年だけが持つ美しいプロポーション。不思議に日焼けしない、女の子のようなミルク色の肌。君独特の産毛も変わらない。

 心臓が打つ音が身体に響く。君の身体には欠点というものがない。ボーイスカウト活動はアスレチック・ジムのような特定の筋肉を発達させたりしない。まるで水泳のように隠れた筋肉だけを強くしてゆく。

 だから君はシャム猫のように凛々しく、そしてしなやかだ。

 僕は凍ったように君の姿を目に焼き付けていた。それはどんなに猥褻な本やフィルムより刺激的な光景だった。
               *
 さて、ウェルカム・キャンプで解ったこと。三人の部下が使えない。僕ら4人の世代と一年か二年しか違わないのに、凄くギャップが大きいのだ。ちょっとでも目を離すと座り込んでしまうし、薪も片手で握れるくらいしか持ってこない。しかも時間がかかる。一緒にやってみたが、連中はまるで散歩だ。森の中で薪を見つけられないのだ。

 水を持ってこさせても遅い。しかも半分ぐらいに減っている。包丁なんて使ったこともないし、持久力に欠ける。これでやっていけるのか。

 僕の落胆に君は考え込んでいた。

「まあ、長い目で見てやるしかないかな」

「最初がだめなら、次もだめ。最後までだめだってば」僕は苛立った。

「こりゃ、教育って言うか、適性の問題だと思う。あいつらにはセンスがない」

 君は眉をしかめて、キスリングに横たわった連中を眺めた。

「そこをなんとかするのが僕たちの仕事じゃないのか?」

 君特有の「一度決めたらどこまでも」が始まった。こうなったら君は止まらない。

「もっと人間が増えて」君は言った。「いつものスケジュールになれば、嫌でも変わる」

「多分?」「May be」

 僕は肩をすくめ、撤収作業に入った。
               *
 僕は密かにスカウトハウスに侵入するシステムを作った。僕の家はもう安全とは言えなかったし、夜や休日に寝泊まりできる場所が必要だったからだ。

 夜中電気を付けたり煮炊きをしたりすると、道を隔てただけの団長宅に見つかってしまう。しかし僕は優れたボーイスカウトであり、備品を整理しながら押し入れをひとつ空にして、灯油のランプとラデュース(灯油式の簡易バーナー)を用意した。一酸化炭素による危険はたいして気にならなかったが(まあ、それで逝くのならそういう人生だ)家族と会わなくてすむ夜は素晴らしく、ジャンコクトーの「恐るべき子供達」をゆっくり味わうように読むことが出来た。


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