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誓いのペンダント
【兄妹相姦 官能小説】

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誓いのペンダント-29

かなり暗くなっている。浩之は一旦帰ると、懐中電灯をもってきた。あの時と同じだな。そう思った。もう、雨は止んでいる。
 もしあの時、あんな約束をしなければ、こんなことにはならなかっただろうか。
 約束を守るのもこれが最後だ。そう思うと、浩之は闇の中に入っていった。
 中はだいぶ時間が経ったにも関わらず、あまり変わっているようには見えない。昔の記憶を辿りつつ、唯がいた場所を目指す。
 恐くはない。後悔があるだけだ。
 だいぶ歩いた。このあたりだろうか。浩之は祈るような気持ちで唯を捜す。
「唯!」
 パジャマ姿で、膝を抱えている唯を見つけた。浩之は走った。
「唯!大丈夫か?」
「お兄ちゃん!!」
 唯が抱きついてきた。
「お兄ちゃん・・・やっぱり来てくれた・・・」
 唯の手にはペンダントが握られている。あの時と同じように。
「お兄ちゃん。ずっと、ずっと待ってたんだよ。やっぱり来てくれた」
「唯・・・・・・」
「お兄ちゃん。これからもずっと約束守ってくれるよね?」
「それは・・・」
 唯のすがるような瞳。浩之は目を反らした。
「唯・・・それは、お前の為にならない。おまえは強くならないとダメなんだ。それに、俺にはおまえの兄である資格もないんだ」
「なんで? どうしてなの? お兄ちゃんは私のこと嫌いなの?」
「そんなことはない。おまえのことは、いつも大切に想ってきた」
「なら、なんで! お兄ちゃんは、ちっとも私のことわかってない。私、ずっとお兄ちゃんのこと好きだったの! その気持ちに応える気がないなら、優しくなんかしないでよっ!!」
「唯・・・おまえ・・・」
「私がどんな女かわかってるでしょ・・・軽蔑してるでしょ・・・なら、放っておいてよ・・・」
「俺は、おまえを軽蔑したりはしていない」
「なによ・・・ただ、兄だからって来たなら、帰ってよ。私、そんなのいらない・・・」
「ちがう、俺もおまえのことが好きだ!」
「お兄ちゃん・・・」
「俺は・・・怖かったんだ。おまえに好きと言ってしまったら、すべてが壊れるようで。兄妹ままなら、おまえを独り占めできると思ったんだ。だが、それがおまえの為にはならなかった・・・」
「お兄ちゃん、いいじゃない。私、強くならなくてもいい。ずっとお兄ちゃんが守ってくれればいいじゃない。お兄ちゃんが私をこんなふうにしたんだったら、お兄ちゃんが責任もってよ」
 唯が、微笑みながら言う。
「お兄ちゃん、ずっと私の側にいて」
「わかったよ・・・約束だ」
 唯の手に握られたペンダントを見た。あの時と同じように、唯の血がにじんでる。
「しかし、このペンダントのおまじないは強烈だな。俺もおまえも逃れられそうにない」
「フフ・・・そうね」
 二人とも笑った。
 唯が目を閉じる。
 浩之は唯に口付けをした。


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