ユリ-23
「まあ、ユリちゃんとセックスしておいて優しいだなんて言えないんだけど、僕は女房には出来る限り優しくして上げたいと思っているよ。だって好きで結婚したんだからそんなこと当たり前だろう。優しくしたくないような相手なら離婚すればいいと思うよ」
「そうですねぇ。でも奥さんに優しくない男の人は沢山いますよ」
「うん、そうだね。そういう人の考えは僕には分からないな」
「私高田さんみたいな人と結婚したいな」
「嬉しいね。ユリちゃんは可愛いし魅力的だから今にいい男が必ず現れるさ」
「高田さんみたいな？」
「いやいや、もっとずっと素敵な男性が」
「そうかなあ、そうだといいなー」
「うん、だからね、自分のしたくないことを相手の為にしたりしては駄目だよ。そんなのは世界中探しても私が好きになるのはこの人しかいないっていう特別な男が現れた時の為に取っておくんだ。それまでは自分のやりたいように自分の人生を送らないといけないんだよ」
「そうかあ。そうなんですかあ」
「うん、でもそういう男が現れるまで時々僕とセックスしてくれると僕は嬉しいんだけどな」
「なんか変だなあ」
「うん、まあそうだね」
「でもいいですよぉ。高田さんは特別な人が現れるまでやっぱり私の特別の人だから」
「そうかあ、ユリちゃんは天使見たいな人だねえ」
「えー、私が天使ですかぁ」
「うん、そうだアルバムの題名は天使のアルバムにしたらどうかな」
「天使のアルバムですかぁ。いいですねえ、それ」
「うん、それで１番最後に何も着ていない裸の写真を貼るといい」
「高田さんの写真も載せたいなぁ」
「僕の写真を載せたら堕ちた天使になってしまう」
「そんなこと無いですよぉ。でも天使のアルバムにするんならそういう表紙のを買ってくれば良かったな」
「あっ、待てよ。これは天使のアルバムに丁度いい表紙だよ」
「どうしてですかぁ？」
「うん、神様に背いて天上から落とされた天使がいてね、それを日本語では堕天使と言うんだけど英語ではルシファーと言うんだ。そしてルシファーの象徴は竜だとされているんだよ」
「わぁー、それじゃこれは堕ちた天使のアルバムに丁度ピッタリですねえ」
「うん、まあ堕ちても天使は天使だから・・・」
「いいんですよぉ、別に慰めてくれなくても。私堕ちた天使ってなんか気に入っちゃったから。これはルシファーのアルバムにしよう」
「そうだね、ルシファーなら普通の人は意味が分からないからそれでもいいかな」
「高田さんの奥さんがジェニファーで、私はルシファーですね」
「そう言えば似ているね」
「私のことはルシファーではなくて呼ぶときはルシーと呼んで下さい」
「ジェニーにルシーか。でもジェニーと呼ぶのは他の人が呼ぶ時に言うんで、僕は彼女をダーリンと呼んでいるんだよ」
「あらあ、やだー」
「うんちょっと気障に聞こえるかも知れないけど、フィリピンではまあ、そういう言い方が結構普通なんだよ」
「違いますよー。私も前の彼にターリンと呼ばれていたんです」
「ターリン？ ダーリンでは無いの？」
「お前は脳足りんだからターリンだって」
「・・・」
「ジェニファーにルシファー、ダーリンにターリン。私と高田さんてやっぱり縁があったんですねぇー」
「ん、そうかも知れないね」
「やっぱり私の特別な人って高田さんだったんだあ」
「うーん」