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マリア
【その他 官能小説】

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マリア-27

 「驚いたなあ。一体何だって僕に白羽の矢を立てたんだろう」
 「女の直感ね」
 「直感て奴は当てにならないんだ。僕なんか外れてばかりいる。この間もビール飲んだくれてるホステスがいて、これはこの後連れ出してホテルに行けるなって直感したんだけど、全然当たらなかった。かすりもしなかった。5万円も払って二日酔いになっただけ」
 「それは貴方が男だからよ」
 「女の直感は当たるんだろうか」
 「当たっても外れてもそれを信じるしか無いじゃないの」
 「それはそうですな」
 「でしょう?」
 「でしょうって僕に同意を求めるなよ」
 「それじゃどうすればいいの?」
 「どうすればいいって・・・、ちょっと聞いていいかな」
 「何?」
 「精神的な支えっていうのは肉体的な支えは要らないっていう意味なの?」
 「肉体的な支え? それは何?」
 「そのお・・・、つまり肉体的に君に満足を与えるっていうか、何て言うか」
 「つまりセックスのこと?」
 「まあ、早い話がそうなんだけど」
 「只で私とセックスしたい訳?」
 「只でって・・・、まあそうだな、プロに只でサービスを要求するのは筋違いだな」
 「そうよ。だけど貴方には特別に1ヶ月25万円でバイキング・サービスにして上げるわ」
 「バイキング・サービスって何?」
 「バイキングだから食べ放題よ。つまりやりたいだけ私とセックスしてもいいというサービス」
 「しかし25万円は高いなあ。それじゃ暮らしていけない」
 「それは心配しないでいいの。食費も住宅費も貴方の生活費は全部私が出すんだから」
 「すると・・・、えーと、それはつまりどういうことになるんだろう・・・」
 「つまりね、貴方のお給料は30万円だけど、そこからバイキングサービスの25万円を払わなくてはいけないから、5万円が残るわけ。 要するに5万円のお小遣いを上げるから私のライフ・パートナーになりさいっていう話よ」
 「ライフ・パートナーって何?」
 「貴方の好きでいいわ」
 「僕の好きでいい? それはどういう意味?」
 「夫でもいいし、恋人でもいいし、好きに考えればいいの」
 「好きに考えればいいって言ったって、夫というのは籍を入れないと夫とは言わないんだよ」
 「だから貴方がそうしてもいいんなら籍を入れるわよ」
 「何、何、何?」
 「聞こえないの?」
 「いや、聞こえたんだけど聞き違いに違いないと思えるんだ」
 「ややこしい言い方するのね。私は貴方と結婚したいと言ってるの。突然で答えられないだろうから、取りあえず同棲してみましょうって言ってるの」
 「そんな。僕達まだ2回しか会ったこと無いんだよ。今日で3回目か」
 「でももう体の関係を持った仲だし」
 「体の関係を持ったって言ったって、それは君の仕事だったんじゃないか」
 「だから何?」
 「だから僕は金を払ったんだろ。僕のこと好きでセックスするんなら金なんか取るなよ」
 「だからこれからは反対にお小遣いを5万円上げてフリー・セックス付きだって言ってるじゃない」
 「フリー・セックスじゃ無いだろ。25万円のバイキング・サービスだって言ったじゃないか」
 「物は考えようよ。好きなだけ出来るんだから、毎日10回やってごらんなさい。300回で25万円なら1回800円くらいになって只みたいなもんよ」
 「そんな馬鹿な。毎日10回も出来るかい」
 「あら。その気になれば出来るわ。私がテクニック駆使してやらしてみせる」
 「いいよ、いいよ。そんなにやったら死んじゃう」
 「遠慮なんかしなくていいのよ。だって私貴方が好きなんだもん」


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