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大事なものはね、
【青春 恋愛小説】

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大事なものはね、-3

「どした??」
相当ひどい顔をしていたのだろう。奴が聞いてきた。
「な、んでもな…。」
あたしはあきらかに動揺している。
「ごめ…。ちょ、よるとこできた…。」
「おい。」
よろけるあたしに手をかそうとした。
でも、あたしはその手をおもむろに避けた。
「じゃぁね。」
そう言い残して帰った。
わからない、恐怖感。何に対して??
「なんで…。」
泣きたくなる衝動に駆られた。
「わからないよ…。」
苦しかった。





あたしと奴が付き合ってるなんてうわさがたつのは、必然っていえば必然だった。
なにかと注目されてる奴だから。
「うぜー。」
「死ねよ。」
あたしとみなみが一緒に帰ってる途中、数人の女の子たちが言った。
そしてクスクス笑いながら走り去っていく。中にはチラチラ振り返る子も、いる。
こんなことを言われるのもちらほら。
そんなに仲のよくない子に言われてるのでまだいいけど、もし、と考えると…。
「ふみさ、もしかして高山君と…。」
「え??違うから。」
みなみに言われて焦った。
「でも、なんでうわさがたつの??何もないこと、ないでしょ??」
「えー…帰り、一緒に帰ったことがちらほらあって…―。」
必死に弁解する。
「え!?何で!?」
「たまたまだから!!」
「なんで言ってくれなかったの??」
「え??」
みなみが真っ向からあたしの顔を見る。
「なんで、隠すの??」
奴から感じる恐怖のことを話そうとしたけど、できなかった。
「ふみ、高山君のこと、好きでしょ。」
「は!?違うから!!」
普通に否定したつもりだった。でも、顔は赤くなり、うろたえてる。
みなみは悲しそうな顔をして、
「言ってくれればいいのに…。」
と言って、あたしの前から姿を消した。
あたしは寒気がして、鳥肌が立った。
みなみがあたしの前から去っていった…。
その真実に耐えられなかった。
足が動かない。
「お嬢さん、帰らないと変質者でるよ。」
奴がふざけて言ってきた。
いつのまに来たのだろう。
「なんなのさ…。」
気持ちが溢れてくる。
「へ??」
「あんたが来てから…―!!」
そう、あんたが来てから、あたしは恐怖でいっぱいだった。
「あんたと…―!!」
喋るようになって、周りが変わった。
「あたしは、あんたが好き…―!!」
ビックリした。奴もビックリしてる。
こんなこと、微塵も感じたことはなかった。恐怖ばかり感じていたはず。
なんの恐怖??
あたしが1番恐れていたのは、友達が離れていくこと。
そう、奴に感じていた恐怖は、これだった。
あたしが奴に近づけば、友達が離れていくことをわかってたんだ、きっと。
初めて恐怖感をおばえたのは、転入してきて間もないころ。
ってことは、奴に会ったときから、あたしは奴に惚れていた…??
「おまえ…、けなしてんの??告ってんの??」
奴が聞いてきた。
「わかんない…。でも、なんかあんたのこと、好きみたい…。」
「やっぱ、おまえ、おもしれーよ。」
クククと奴は笑った。
「な…!!」
「でも、そーゆーの、好きだよ。」
奴があたしを抱き寄せた。
近くではあの桜の木が立っていた。
おめでとう、といってるように見えた。
「彗…??」
「なに、みふみ。」
「なんでもなーい。」
あたしにはこれで十分だった。


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