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大事なものはね、
【青春 恋愛小説】

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大事なものはね、-1

みんながクラスに馴染んだ頃に、転入生。
桜野中学校3年2組はざわついていた。
「高山彗(たかやませい)君だ。ちょっと時期はずれだが、今日からみんなの仲間だ。」
なんで4月に来ないの、と思ったけど、どうせ関係ないこと。
後ろの子が、かっこよくない??、と騒いでるのも、関係ない。
あたし、中田みふみ(なかだみふみ)にとって大事なことは、この生活を変えないこと。
小さいころは暗くて、よくいじめられた。
いじめ、なんていっても幼稚園レベルの。
変わりたいと思った。言いたいことを言えるようになりたかった。
小さいながら、そんなことを考えてた。
そして、小学校からあたしは変わった。積極的に友達を作り、今に至る。
左斜め前の人影がこっちをむいた。
「ふみー!!まじで高山君、いけてない??」
「あたし、興味なーし。」
「えー、絶対かっこいー!!」
そう騒いでるのは、あたしが最も信頼をよせる人、木部みなみ(きぶみなみ)。
幼稚園のときからお世話になりっぱなし。
「でも、性格がわかんないよねー。でも、いい人っぽいじゃん!!」
たしかに笑顔をちらほら見せているぶん、好印象だな。
「スポーツできなくていいのー??」
「中の上ぐらいできてれば、問題なし!!」
「それってけっこう、ハードル高いから!!」
と、突っ込んだ。
高山君は、人当たりのよさそうな顔で自己紹介をしてる。
彼に恐怖感を感じた。
口であらわせない恐怖感を。
みなみは惚れっぽいところがあるから、気をつけてあげないと。
今、何よりも大切なのは友達だから。


2時間目の体育の時間。みんなが注目してた。
このハンサムはどれぐらい運動が出来るか、に。
男子にとっても重大なことだった。
これ以上彼に活躍されると、自分が目立たなくなるもんで。
「今日は、スポーツテストの続きで…じゃぁ、50m走をやりましょうか。」
先生が紙をペラペラめくりながら言った。
出席番号順に2列になり、測ってもらう。
クラス1の運動神経をほこる足達君は、6秒8という好成績を残した。
「やっぱ、足達君がステキー!!」
クラスの人が盛り上がる。
なんて単純な。でも、たしかに足が早い人は見てて気持ちい。
あたしは苦手だから、まぁ、9秒ジャスト。
みなみは8秒8と、2人とも運動神経はよくない。
足達君がトップの座を守り、ついに高山君の番になった。
彼が転校してきてクラスの人数が奇数になったので、1人で走ることになった。
みんなが見守る中、高山君が出したタイムは―…
「7秒ジャストね。」
先生が言った。
「残念。やっぱ足達君が1番だ。」
でも、みなみはこう言った。
「上の下。上等よ。」
愕然とした。なんとか親友を奴から引き離さなくちゃ。
後ろ姿を睨みつけてやった。


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