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Time Capsule
【初恋 恋愛小説】

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第1章 あの日の後悔-2

俊輔は玄関口で靴を脱ぎ中へと入る。
「おはようございます。」
礼儀正しくしっかりと頭を下げ挨拶する俊輔。
「永井です。彩香がお世話になります。」
正直どんな挨拶をしたらいいか分からない。取り敢えず当たり障りのない挨拶をした俊輔。目の前には美人な保母さんがいた。歳は30前後だろうか。一目で活発そうな性格が分かるような顔つきをしていた。髪を後ろで束ね、若い女性には持ち得ない色気を感じさせるが、ジャージ姿である事がその雰囲気をぼやけさせているようだ。ちゃんとした服を着たら間違いなくいい女だ。これから保育園に来ればこんな美人な先生と会えるのかと思うと毎日でも娘を送りに来ようかな…、そんな気持ちになった。

しかしそんな甘い思いも、その一言で消え去ってしまった。
「俊輔…?」
ドキッとした。俊輔は瞬時に過去にやましい経験をした女性がいたか頭の中を検索する。
(いや、いる訳ないしよな…。付き合ってた女以外とはヤッた事ないし…。別れた女を忘れる程ボケてもないし…。誰だ…?)
ただの知り合いにしては呼び捨てで呼ばれた事が気になる。歴代の彼女以外に呼び捨てで呼ばれる女性は母親か姉ぐらいだ。当然母親でも姉でもない。俊輔は思わずジッと保母の先生の顔を見つめてしまった。

「お、覚えて…ないか…」
先生の方が少し照れて視線を外した。
「どこかでお会いしましたっけ…」
頭をかきながら失礼承知で聞いてみた俊輔。すると本当に忘れている俊輔に対して少しイラっとしたような顔を浮かべた。名札を見ると『なかざと』と書いてある。
(なかざと…?し、知らねー!誰だっけ!?)
全く思い浮かばない。だがしかし、そのイラっとした表情に何か思い当たる。特に尖らせた口元に見覚えがあった。

すると動揺した俊輔に向けて先生が何と俊輔に中指を立てたのであった。
「ふざけんなよ、俊輔ぇ〜!」
俊輔の記憶の中、ようやく検索に引っかかった女性がいた。そう、中指を立てる行為の意味もよく知らずに自分に突き立てて来た女性がいた。1人だけ…。

「あ…、も、もしかして…、友美…!?」
先生はニコッと笑った。
「当たり〜!久しぶり♪」
俊輔は動揺を隠せない。完全に怯んだ表情を浮かべながら上擦った声で、
「マジで…、マジで友美…?」
と、再確認するのが精一杯なのであった。


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