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《夏休みは始まった》
【鬼畜 官能小説】

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〈略奪の雨音〉-2



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「ねえ奈々未……もう一回しよ?」

「……甘えんぼ」


二階の二人は壁に凭れたままで、何度目かの接吻を重ねていた。
互いに没頭していた二人はようやく雨音に気付き、ガラス戸を静かに閉める……雨雲のせいもあるだろうが、外はかなり暗くなっていた……。


「……麻衣…遅くない…?」

「ちょっと……遅いよね?」


何時から降っていたのか分からなかったが、この雨の中でも露天風呂に入っているのは可笑しい……それに屋内大浴場に場所を変えたとしても、こんな長時間に亘って温泉に入っているとは考えにくかった……。


「……あ…来たんじゃない…?」


小さな不安を掻き消すように、階段を上がってくる音が聞こえてきた。
だが、それは不安を増幅させる音なのだと奈々未は気づいた……。


「……階段…あんなに軋むっけ?」

「……え?」


最初に部屋に入る時、四人は旅館の堅牢さに感心していた。
四人で上がっても軋まなかった階段が、なぜ今になってギシギシと軋むのか?
麻衣や里奈の軽い体重ではなく、もっと重い人が上がってくるならば……?


二人は互いに身を寄せあい、部屋の奥の隅で緊張した面持ちで、部屋の戸を凝視した。


『お待たせ、お二人さん』

「ッ…!!??」


乱暴に戸が開けられたと思った瞬間、数人の男達がドカドカと不躾にも入ってきた。
真夏達と同じ浴衣を着ているのだから旅館の客には違いないが、他の客は居ないと信じこんでいた二人にはこの状況が理解出来ない。


『ちゃんと温泉でオマンコ洗ったか?マンカス詰まってると幻滅されちまうぜ?』

「ッ…!!!」


いきなり下劣な言葉を浴びせられた二人は、更に身を寄せあって部屋の隅に固まる。
その瞳には続々と増えていく男達の姿が映っていた。



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