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真っ赤なリース
【スポーツ 官能小説】

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第2章 新鋭女刑事…だった頃-9

張り込みが終わり県警本部へと戻り、日向市と金前市の繁華街に張り込みに行った刑事と合流し捜査状況を報告し合う。朱音は23時から朝方6時まで張り込んだ結果を時系列にして報告した。日向市に行った風間と河田も真似たような時系列をホワイトボードに書き込み、金前市に行った刑事もそれに倣う。しかし当然の事ながら風間の書いた内容は適当である。ほぼまともに張り込んではいないからだ。金前市に行った刑事に関しては更に論外であった。1時間も張り込むと飽きてしまい、事もあろうか1時から4時までラブホテルにデリヘル嬢を呼び楽しんでいたのであった。風間にしても金前市に行った刑事にしても、犯人がそんな簡単に何度も何度も仕事帰りのキャバ嬢を路上で誘拐するような馬鹿な真似はしないと思っていたからである。何日か張り込みに行き何の成果も出ない事を理由にダルい張り込みを早く終わりにしようぐらいにしか考えていなかった。それよりも殺された女性を更に詳しく調べて行った方が犯人逮捕に早く繋がると考えていたし、第一に朱音の指示に従う事自体がそもそも嫌で仕方がなかった。もし張り込みで結果が出てしまうと朱音の手柄になり、更に評価が上がってしまう。それが許せない為、他の4人は口裏を合わせて張り込みを失敗させようとしていたのであった。

張り込みを2日目、3日目と、何の収穫もなかった。それもそのはずである。犯人は警察が張り込んでいる事に気付いていたからだ。刑事らは逆に自分達が張り込まれている事に気付いてもいなかった。それどころか朱音が張り込んでいる桜町は2人がしっかりと張り込んでいる事、しかし他の日向市と金前市の繁華街の張り込みは担当刑事らに真剣さが感じられず緩い事まで把握されていたのだ。張り込みは一週間行われたが、4日目には日向市で、5日目には金前市で、密かにキャバ嬢狩りが行われていた事を警察は把握出来ていなかった。死体さえ発見されなければ警察は被害者が出ている事を知り得る事は出来ない。だから犯人は狩りをした女性らを殺さず監禁し毎日強姦していたのであった。被害者は合計5人に登った。全員あるビルの一室に監禁されていた。犯人は警察が自分の犯行手口に気づき動き出した事を受け、そろそろ千城県での犯行をやめようと考えていた。しかしすぐに他の土地に動かなかったのは、犯人がどうしても手にかけたいキャバ嬢がいたからだ。しかしそのキャバ嬢は朱音らがしっかりと張り込んでいる中野市の桜町のプロミスムーンと言うキャバクラに勤める県内人気、指名率ナンバーワンを誇る美弥妃と言う女性が狙いだ。噂では一日で100万の日払い報酬を受けていると言う。千城県内での犯行の集大成としてその美弥妃に目をつけていた。金も欲しいが犯しもしたい、そして人気ナンバーワンを永遠に自分のものにしたい…、即ち殺す…、どうしてもその欲望が諦め切れない犯人は朱音らの張り込みがなくなる時を待っているのであった。

犯人はもはや殺人に慣れていた。4人目を手に掛けてからは何の躊躇いもなくなっていた。今目の前にいる5人もすぐに殺せと言われればすぐに殺せる。しかし腐敗が嫌だ。だから美弥妃を拉致し目的を達成した瞬間に計6人を殺害し姿を消そうと考えている。そして張り込みが始まって6日目で、成果の出なかった張り込みは打ち切りになったのであった。翌日、朱音らの姿がない事を確認した犯人はさらに3日様子を見てもう張り込みはないと判断、翌日に犯行を実行する事を決めたのであった。

犯行が行われたその日、朱音の人生が大きく変わる事になるのであった。


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