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真っ赤なリース
【スポーツ 官能小説】

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第2章 新鋭女刑事…だった頃-7

0時を過ぎて30分も過ぎると風俗嬢らしき女性が多く見られるようになった。誰か彼女らを狙っている人間はいないかと目を光らせたが、朱音は意外な光景を目の当たりにする。風俗嬢の帰りを待ち構えていたかのようにホストクラブの呼び込みが彼女らにアタックし始めたのだ。中には顔見知りらしく、ホストに手を振って歩み寄り店内に消えて行く女性の姿も見られた。

「彼女達はホストからも金の成る木に見られてるんですね。」
朱音は少々怒りを含んだ声で言った。
「金持ってる人間にたかるのはみんな同じだ。彼女らの中には身を削って得た金をホストで使い込んで、逆に借金地獄に陥る女性も多いからな。奴らのしている事はキャバ嬢狩りをしている奴らと変わらない。すっからかんになった瞬間にポイ捨てだ。」
「…、腐ってますね…。」
「だがホストの奴らも食って行く為には金を稼がなきゃならない。誰がいい悪いの世界ではない、弱肉強食の世界なんだ。弱い者が負けるのはどの世界も同じだ。俺達も、な。」
「…」
人間も食って行く為には肉を食べる、魚も食べる。すなわち自分が生きる為には別の命を奪う必要がある。しかしそれが悪い事かと言えばそうではない。まさに弱肉強食なのだ。だからもし人間よりも強い存在が地球上に現れたのなら、今度は人間が命を捧げて強者の命を繋ぐ役割をしなければならない。そうなった時、人間は文句は言えない。島田の言った弱肉強食と言う言葉の響きに朱音は考えさせられたのであった。

「まぁまだこの時間は人で賑わっていて犯行に及ぶには目立つよな。軽く流して車で待機だ。」
「ですね。
2人は車の中で張り込みを続けることにした。」
ただ、駐車場の目の前には地域最大のキャバクラ店、プロミスムーンと言う店がある。被害者の中に過去この店に在籍していた女性が2人いるのは調べて分かっていた。2人は注意深くその店を監視していた。

「しかし1時間8000円の店に、よくこれだけ客が入るよな…。世の中俺らが騒ぐ程、不景気じゃないのかもな。」
「持ってる人らは持ってるもんなんですよ。でもそう言う人らは自分の手で稼いでいる訳ですから、ひがんだりするのはお門違いですよね。自分が今の給料なのはまだまだ努力が足りないからであり、他の商才がないからだと思ってます。」
「お前はそい言う考え方する人間かー。」
「はい。」
「まぁ間違ってはいないが、な。ただしドライではあるな。」
「ですね。自覚はしてます。」
島田は苦笑いし目をキャバクラの店の方に向けた。


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