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浪漫飛行
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流星群-2

「……そんな時に、僕があの温室の前を通ったんだね、偶然」
「えぇ、そうよ」
私はそのチャンスを逃すまいと、こっそり温室から抜け出した。
外に出ているのを見られたら、きっとすぐに殺されてしまうから。
「そして、君は逃避行を成功させたんだ」
「予想以上に簡単に成功しちゃったから、最初は罠かと思ったのよ?」
「それは心外だな。僕は謎の女性からの逃避行の誘いに、快く応じたのに」
彼と私は暫く顔を見合った後、小さく笑った。
いつまでも、こんな幸福な時間が続けばいいのに。
彼が時刻を確認しているのを見ながら、そう思った。
「……もう、時間?」
「……うん」
夜空を一つ、二つと流れ星が流れはじめ、その数はどんどん増えていく。
そして、一分と経たない間に夜空は沢山の流星群で覆われ、流星群の合間をぬって、小さな隕石が落下してきているのも確認出来た。
「私、貴方に会えて、すごく、」
彼は私の言葉を遮るように、繋いでいる手に力を込めた。
「過去形になんか、しないさ。絶対に」
次第に落下してくる隕石の数が増えていく中、彼は力強くそう言った。
普段は柔和な物腰の彼が、隕石が地面に落下する音に負けないように、力強く。
「どこに居ても、どんな世界に生まれ変わったとしても、僕は必ず君を見つける。だから、」
すっかり荒れ果ててしまった温室の中で、彼は私を見つめて、もう一度力強く言った。
「絶対、過去形になんて、しない!」
彼がそう言い切った瞬間、温室のすぐ側に隕石が落下した。
その衝撃で温室の窓が次々と割れていく。
もう躊躇している暇なんてなかった。
私も彼と抱き合いながら、隕石の落下音に負けないように、力一杯叫んだ。
「私も、貴方を絶対、忘れない!」
次の瞬間、視界が眩しい光に覆われ、そこで記憶は途絶えた。


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