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14's CHOCOLATE
【コメディ 恋愛小説】

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Holiday's CHOCOLATE-1

橋田哲希、15歳、橋田家長男。
来るのか?来るのか?今日はどうなんだ…!?長年の統計によれば10時を過ぎればアレは無いはず…!!よし……3、2、1…。
「テツ〜?暇なんでしょ〜?」

橋田朝希、17歳、高3。橋田家長女であり、哲希の姉である。
「出たあぁぁぁっっ!!」
「何じゃい!来て悪いか!!それよりお願いがあるんだけど」
「いやだっ」
「まだ何も言ってないでしょっ」
いや、俺にはわかる。この恐ろしい俺の姉は、俺を便利な道具としか思っていない。
「服買いたいの。ショップまで車出せ」
ほらね。思った通りだ…。日曜日はほぼこのパターンだ。そして、俺は起床してから午前10時になるまで部屋の片隅でビクビクしながら過ごしていた。
「何で俺が出すんだよ」
「仕方ないじゃん。父さんも母さんも仕事なんだから。アンタしかいないでしょ?」
何をほざいてるんだ、この女は!!
「自分で出せばいいじゃん!!」
「はぁ?アンタこの朝希様に口答えする気?随分偉くなったもんだねぇ」
姉ちゃんは俺を上から下まで舐めるように睨む。俺より小さいくせになぜ俺よりでかく見えるんだろう…。小さい頃から姉ちゃんは俺を見下していた。だけどまだ幼い俺は、背の高さが逆転した時、立場も逆転するんだと本気で思っていた。が、背の高さが逆転した今でも睨まれると体と脳はうまくリンクしない。
「いえ、口答えなんか…しておりません!」
脳みそでは拒否してるくせに口が勝手に…!!
姉ちゃんは恐いくらい優しく笑うと
「では参りましょう」
と俺の髪の毛を掴んで引っ張っていった。

そういえば天気予報では気温が30℃を超えると言っていた。…だろうな。俺は愛車を汗だくで漕いでんだもん。愛車とは愛自転車の略でアール。姉ちゃんは俺の後ろで「楽ちぃ〜ん」と言っている。
「姉ちゃん…交替…」
「はぁ?何言ってんの?この格好で自転車漕げるわけないじゃん」
今日の姉ちゃんの格好はデニムのミニスカに真っ黄色のタンク、そして茶色のベルトをしている。そんなこと言ってもオマエ、大股開いて俺の後ろのってんじゃんよっ!!でも、そんなことを言ったら俺ごと自転車を車道に突き飛ばしかねないので死んでも言わない。
「それにさぁー、このクソ暑い中自転車なんて漕いだら汗掻いちゃうじゃん」
いつもの俺なら軽く聞き流せるのに…。この半端じゃない暑さのせいに違いない。ブチブチブチッと体の中で何かが切れるような音がした。
「…ぅうおおおおぉぉぉぉっっ!!」
俺は叫びながら立ち漕ぎで愛車を飛ばした。心の片隅で後ろの女が吹っ飛ばされればいいな、なんて思いながら…。

結局、疲れてボロボロなのは俺だけで、あの不安定な運転を新体操部長の姉ちゃんは、楽しそうに乗りこなしていた。
「ちょっと、テツも来なっ!」
俺は店の中に入るのはこっぱずかしいので、外に立っていると姉ちゃんが手招きした。
「何で俺も入んなきゃいけないんだよっ!?」
「男ウケする服選ぶためだよ、このボケェ」
俺は半ば強引に連れられていく。店の中はガシャガシャ騒がしく、香水の匂いが充満していた。歩道に面した壁は全てガラスで直射日光が入ってくる。置いてある洋服は原色系やら蛍光色やらでずっと見ていると目が痛くなった。
「彼氏と来りゃいーぢゃん…」
「別れたもん、昨日」
「はぁ!?何日続いたんだよっ!?」
「うーん…5日?」
「…アンタ、世の中舐めてんのか?」
「クソガキ、姉ちゃん舐めてんのか?」
「いえ全然」
はぁ、俺って情けない。こんなところコノに見られたら…いや、伸に見られたら…違う!いつもイジってる圭介に見られたら!!最高なイジりネタじゃん…。自分の姉に頭上がらないなんてなぁ…。だってよぉ、俺の幼少期の話聞いてよ?


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