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〜ハロウィン忌憚〜 黒髪少女侵蝕
【レイプ 官能小説】

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さまよい-1


 わたしは思う

 ……

 思うのである

 …… ……

 これは悪い夢

 …… …… ……

パラパラパラパラパラッ パラパラパラパラパラ パラパラパラパラパラ…… …… ……
薄いページの捲れる音

 微睡む意識のなかで…… それは…… くりかえしおとずれる
それが現実であったのか、否か
それとも夢見る頃の想像の産物であったのかもさえ、今は知る術を持たない、脆弱なビジョン それはパラパラ漫画のようであって突然訪れる。

《本当に大切なものは》

 …… …… ……

 …… ……

 ……

 ……何か?っに困惑し怯えながらも、必死に体裁を整えようとする小学生くらいの女の子。

『まっ、ま、ま、待って!』

 後ずさる少女に、追いすがろうとする男の影。
しかし、その男には…… なぜか? 顔は…… ない? 顔が見えない。
まるでトリミングされたように、その表情をうかがい知ることができない。

「痛いっ、痛いっ、やだぁ、やだやだ、止めて」

 腕を掴む男に対し、必死に抗う少女。

『いいから、来るんだ』

 力任せに少女を抑えつける男。

「ふぅっ、ぐぅぅ……」

 背後から抱き着かれ、押し倒され口元を塞がれた少女は、苦し気に幼い顔を歪ませる。

『エッ、エリちゃん。大人しく、大人しくしてくれ。そうしてくれないと、もっと痛い思いをする事になる。ちょっと、ちょっとの間で良いから』

 息を荒げ、身勝手な願いを口にする男。

『いい加減にするんだっ!』

 男に抱え上げられ、床面に叩きつけられる少女。

『……』

 男の望みどおり、沈黙する少女。

『エリちゃん』

 震える指先で、少女の衣類に手を伸ばす男。



 …… …… …… 

 …… …… 

 ……



≪ピピッピピッピピッピピッ、ピピピッピピピッピピピッ…… ≫
 目覚まし時計の短針が午前六時を指すと、耳障りな電子音が起床の時間を知らせ響き渡る。

「…… …… …… はあっ、また同じ夢」
 気だるげな表情で目を覚ます少女。

 本来なら十分な睡眠時間を摂っているので、爽やかな朝を迎えてもいいはずなのだが。
麗しい容姿に相応しくなく、寝起きの表情はひどく憂鬱なものであった。
就寝中、何度も寝返りをうったせいか腰丈まである美しい黒髪も乱れている。

 深い溜息をついた小さな唇の端が、震えるように歪む。
しかし、それもやむを得ない事と言えた。
少女はこの四年間、同じ夢に悩まされ続けてるのだから。

それでも夢に魘されることは少なくなり、ストレスは徐々に軽減されつつあるのかもしれない。
反面、それが全て夢ではないことも知っていく。



 恵利子が留守の祖父母宅を訪ね、偶然、空き巣と鉢合わせになった“事故”から、四年の月日が流れようとしていた。

 幸い、直後に祖父母が帰宅したことで、“最悪の結果”は逃れた…… らしい。

 もちろん性的被害があったかどうか、程度の問題も含めれば判断は難しいだろう。

 恵利子が意識を取り戻したのは、病院のベットの上であった。
事件に巻き込まれたことについて知らされたのは、しばらくたってからのことだ。
そのショックから心的ストレスで、当時の記憶がひどく曖昧な状況で今も後遺症に悩まされている。
記憶が断片的にではあるが、抜け落ちているのだ。

唯一、記憶の片隅に残るのは、その日が≪ハロウィン≫であったかもしれない事。
自宅を出るとき、おぼろげに≪ジャック・オー・ランタン≫を見たような気がするのだ。
もしかするとそれも、幼い妹たちに読み聞かせた絵本の記憶との混同かもしれない。

≪ハロウィンの一日は、この世とあの世がもっとも近づく特別な日。悪い精霊や魔女が街に溢れ、悪い子の居る家の扉をノックする。そして甘い言葉や素敵な贈り物で、誘いを持ち掛けてくる。もしもその誘いに乗ってしまえば、その子はこの世にありながら、その“こころ”は、一生魔女たちに魅入られてしまう…… だからハロウィンの一日は家に居て、誰が訪ねて来ようと“扉”を開いてはいけない≫
双子の妹たちに語り聞かせた話を、ふと思い出す。

 幼い時より本を読むことが好きだった恵利子が創作したおとぎ話の一節。
それは根も葉もない作り話ではなく、概ね図書館で読んだ神話がベースとなっている。

事実、神話を裏付けるように古代のとある信仰では、新年の始まりは冬の季節の始まりである11月1日と言われている。
ちょうど短い日が新しい年の始まりを示していたように、日没は新しい日の始まりを意味していた。
この日は現在の暦で言えば10月31日にあたり、各家庭でかがり火を焚き供物をそなえる。
太陽の季節が過ぎ去り、暗闇の季節がはじまる日。

この世と霊界との間に目に見えない“扉”が開き、両方の世界の間で自由に行き来が可能となると信じられていたからである。
だから人々はかがり火を焚き、供物をそなえ、家の扉を固く閉じ厳粛にこの日を過ごした。

 もちろん、恵利子が妹たちに創作を聞かせたのは、怖がらせる為ではない。
日没も早くなり、気温も急速に下がる季節、妹たちに早い帰宅を促すことが目的であったのは言うまでもない。


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