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スイッチ、オン 〜 The actress on through the lens
【その他 官能小説】

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第一章の2 ハサミ-1

 駅で待ち合わせてモール内のアーウーバンクショップに行った。機種はもう相談して決めてある。価格と性能、機能のバランスが良さそうな物を俺がピックアップし、デザインの好みでルリアさんが選んだ。その際、フラット社の製品は最初から除外した。壊れやすいし、サポートが最悪。製品のアイデアとしては面白いものをたくさん出しているのに、企業体質みたいなものが現場の努力を台無しにしている。何度もイヤな思いをさせられ、ついに見限った。好きなメーカーだったのに。残念だ。
 「あー、やっぱり緊張するなあ。」
 「大丈夫、僕がついてますよ。」
 「まあ、頼もしいわ、王子様。」
 「あはは、演劇部の子はさすがに切り返し早いね。」
 「違うよ。あなたのパターンが読めてきたの。」
 「読まれてきたの。」
 「はいはい。」
 初めて会った日から二週間ほど経っていた。コミュニケーションアプリの定番、BEAMで毎日やり取りし、二回お茶をした。親しくなるのは早かった。このままいけば一ヶ月くらいでそういうことになるかなあ、なんて期待してしまうほどに。
 ネットで候補のスマホのスペックはしっかり確認済みだが、デザインは実物で確認した方がいい。入ってすぐ目ににつく棚でデモ機を見つけた。
 「どう?」
 「うん、写真で見るよりもっといい!これにする。」
 手続きの順番はすぐに来た。恋人定額というオプションがありますよ、と進められたとき、二人はチラッと目を合わせ、同時に小さくうなずいた。
 そのあと、お決まりの説明を店員さんがしている間、ルリアは舞い上がってしまってぜんぜん聞いちゃいなかったが、最後に今まで使っていたケータイの電源を落としてSIMをハサミで切るとき、せつなそうに目を伏せた。それを見た俺の胸もなぜかチク、っとした。


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