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《夏休みは始まった》
【鬼畜 官能小説】

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〈破断される鶴翼〉-6

『いちいち髪掴んだり顎掴んだり面倒臭いだろ?この髪に縄を結んで頭も吊っちまおう』

『プッヒャヒャヒャ!ヤバいね酷いね!鬼畜だね!でもナイスアイディアだと思うな。俺は嫌いじゃないね』

「ッ…!!!!」


髪は女性の命の例えもあるが、このカールの掛かった栗毛色の長髪はまさに麻衣の命と呼べた。
無造作に握られた髪に細めの麻縄が巻き付けられ、そして髪を折り返して輪を作った部分に麻縄は通された。


(か、髪に…ッ!?私の髪に…ッ…わ、私の髪にぃぃッ!?)


元より自慢の長髪である。

なんの苦もなく頭髪は麻衣の眼前まで引っ張られ、そして見せつけるように麻縄は髪を〈吊り縄〉へと変えていく。

目の前の光景を信じるのは難しく、しかし、この痛みは現実のものである。

綺麗な髪は四方八方に引っ張られていき、その同化した麻縄は梁や桁に絡み付いていく……。


(も、元に戻せよッ!!私の髪を戻せッ!!ふ…ふざけんな…ッ…ふざけんなよぉッ!!)


自分の美貌を汚されて、それでも怒りを覚えぬ女性が居ようか?
肌に傷をつける恐れがある麻縄で肉体を変形させ、更には頭髪までにも緊縛を施した。

集団で強姦する。という目的だけでも充分に許しがたいのに、この男達の行為は麻衣の持ちうる全てを壊してやろうという悪意に充ちている。


『なんだこりゃ?ウニか金平糖みてえな面白え頭になったなあ?』

『つーか、また睨んできてんだが?キスしたから大人しくなったんじゃねえのかよ?』

『もうセックスとチンポで頭がいっぱいになってんだよ。「早く私を気持ち良くさせなさい!」ってウズウズしてるんだって』


頭髪を汚された女性の怒りの度合いの強さを、とうに男達は知っていた。
この旅館での監禁と凌辱は初めてではないのだし、麻衣の他にも長髪の美女を姦した事だって何度もあったのだ。


『しかしよ、なかなかにデカい胸してると思わねえか?』

『スレンダーボディにデカパイにプリケツって最高だよな』

『なあ、こんなイイ女を手に入れようってなったら、少なくてもイケメンで金持ちでセンス抜群で……ヤベ、オレ全部当て嵌まんねえや』

『そんな面倒臭えコトは俺らにゃ関係ねえって。こうやって手っ取り早く姦れんだからさあ?』


例え彼氏と彼女の関係であっても、“肉欲の道具”のように扱われるのを嫌うのは当たり前である。
信頼関係を構築した仲でさえもそうであるのに、初めから強姦目的であるならば、麻衣の激情も推して知るべし。
ましてや頭髪を……麻衣のアイデンティティーでもある艶やかな髪までも凌辱の対象にされてしまった憤怒は再び眼力を甦らせ、視界に入る憎き男共を眼光で射抜いてやろうと《目標》を探す。


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