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5センチの景色
【女性向け 官能小説】

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その手に反応して、隣にいた綺麗な女性が、安達さんの視線を追って私を捕らえる。

にこやかに笑うその口元に反して
鋭い視線が私を刺す。
そんな女性の視線に気づかずに、周りにいる人と話を進める安達さんを
私はほんの一瞬ぼんやり見つめた。

「高橋!」

山田さんの声が第4の中から響く。
「あ、はい」
視線を安達さんから外して
第4に入ると、すでに広報のメンバーも集まっていて
「すみません」
私にとっては高度で質の高い会議がスタートした。


「あの子に、何で挨拶をしたの?」
何気なく、イヤ何気なさを装って俺の肩に手を置いた昔のオンナは
俺の小さな行動も見逃さなかった。

「別に」

このオンナにかかったら美鈴はひとたまりもないな。
そう思ったら、可笑しくなってつい口元がほころんだ。
「珍しい顔」
オンナの武器も、オトコの反応も知り尽くしているオンナは
俺の微妙な変化を見逃さない。

「前に仕事で一緒だっただけ」

俺も何気なさを装って、美鈴とは関係ないセリフを吐いてみるけど

「へ・・・ぇ」

このオンナは何か感じ取ったようで侮れない。

綺麗に巻き髪をしたその姿に惚れるオトコは多いだろう。
俺以外の男と遊んでてくれよ。

さて、美鈴との仲を秘密にするか公にするか。
これは慎重に考えよう。

そう思いながら、そっとオンナの手を外すために肩を動かした。




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