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調教学園寮夜話
【学園物 官能小説】

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第19話『舐め奴隷たち』-2

 ……。


 翌日、寮監室。 前日にAグループ生を代表して呼びだされた【A2番】が前日の誕生日パーティーについて報告していた。 【A2番】は企画のこと、着想のことに始まって、イタズラにBグループを引き込む苦労や、教官が本気で怒ってしまった時の備え等々、舞台裏をぶっちゃけて、寮監は時折笑いながら相槌を打つ。 寮監からも『実は腕がピキピキで、今日は筋肉痛で肩があがらない』などと苦笑まじりに打ち明ける様子は、普段の能面とは似ても似つかない。 総じて常にピリピリした寮監室とは思えない、どこか和やかな空気が漂っていた。

 ただし、終始和やか一辺倒、というわけにはなりえない。 一頻り【A2番】の報告を受けたところで、寮監の表情が引き締まった。 それを受けて【A2番】も背筋を伸ばす。 

「貴女方には色々考えさせられましたよ、まったく……。 苟(いやし)くも寮監たる私を深夜まで拘束しようだなんて、もう寮監になって随分になるけれど、他の寮も含めて初耳ですよ? 要するに、それだけ私の事を軽く見ていたということで、逆にいえば私自身が馴れ合いの対象になるレベルに落ちていた……そう考えるより他ありません」

 ここから先はAグループ生が寮監室を訪れる務め、すなわち『M奴隷』としての調教だ。 ため息交じりな口振りも、先ほどとは違い、そこはかとない厳しさが滲む。

「俗にいうなら、舐められていた……あまり愉快ではありませんが、ま、裏を返せば、貴女方が舐めるのがお上手なんでしょう。 せっかく得意な分野があるなら、思う存分発揮させてあげます」

 寮監はソファから腰を浮かべた。

「3分ほどで着替えてきます。 その後で『舌奴隷』として――『舐め奴隷』ともいいますが、存分に躾けてもらうつもりで、私が戻るまでに相応しい恰好におなりなさいな」

 返事を待たず、衣装室へと姿を消す。 寮監の背中が見えなくなってすぐ、【A2番】は用具棚に駆けよった。

「『舐められたから、舐め奴隷』――か。 寮監ってばジョークの1つも通じないって思ってたけど、案外気の利くことも言えるんだ……ちょっとビックリ」

 独り言を呟きつつ、戸棚をあける。 中には革枷、ゴムギャグ、ラバースーツ、錠前、貫頭衣に眼帯等々、一頻り拘束グッズが揃っていた。 寮監自慢のコレクションだ。 

「……」

 しばし熟考する【A2番】。 ただし与えられた時間は長くない。 少女は手始めにラバースーツをとると、ピタリと密着するゴムをひっぱり、無理矢理身体を押し込んだ。 本来であれば2人がかりで着せてもらうスーツを自分一人で着るには、どうしたって力技になる。 黒いエナメルの光沢に身を包めば、それだけでM奴隷の雰囲気になった。 

「よいしょ……っと。 あむ……ん……」

 続いて【A2番】が手に取ったのは箝口具付の口枷と眼帯、鼻フックだ。 口枷を嵌め、鼻フックで不細工顔に化粧を施し、眼帯でもって視界を無くす。 ここから先は手探りだ。 『くぐり椅子(俗称スケベ椅子)』を拾うと、『くぐり椅子』の足の間に顔を挟んで穴に口を密着させる。 口枷と椅子の穴はピッタリ同じ大きさだった。 穴に口枷を嵌めたところで、ゴムバンドでもって顔と椅子を留める。 そうしておいて床の上で仰向けになった。

「……むぐぅ」

 もうまともな口はきけなくなった。 椅子を潜って寝そべった恰好から腰をたてると、勢いよく下半身を折り曲げる。 両足首を掴んで『くぐり椅子』に密着させれば、マングリ返しの太腿が椅子を挟んで『人間椅子』の出来上がり。 椅子の穴からは口枷越しに伸ばした舌が顔をだし、これが【A2番】風の『舌奴隷』だった。 自ら顔を椅子に固定し、椅子を手足で抱え込む恰好ゆえに、一切の身動きが取れない体勢。 今の少女に出来ることといえば、『くぐり椅子』に空いた穴から舌を伸ばし、触れたものを舌で舐め清めることしかない。 

 M奴隷の基本は御主人様への奉仕にある。 膣、クリトリスが『くぐり椅子』の穴に触れれば、舌を絡ませ性感へ奉仕。 肛門をあてがわれれば、舐めほじって便滓を綺麗に掃除する。 どちらにしても、何を舐めるかは御主人様の気分次第で、M奴隷の意志が介在する隙間はない。 積極的に奉仕するべきM奴隷としては、やや受け身な対応になるが、それは【A2番】がもつM奴隷観ゆえだ。 即ち【A2番】が考えるM奴隷とは『自分の意志で自らを積極的にモノに貶め』て『主人の意図に無条件で迎合する存在』になること。 云わば『汎用人型奉仕用具』とでも呼ぶべき存在だった。

 少女の答えが正解かどうかはさておき、M奴隷という存在は1つの正解しかもたないような、底が知れる単語ではない。 自ら積極的に主人に迎合し続ける存在がM奴隷だし、常に主人の意を忖度してジッと慎ましく控える牝もM奴隷だ。 道化に徹して主人を持ち上げるのがM奴隷であり、静かにオマンコが裂けるまで拡張に耐える姿もM奴隷の鑑になる。 

「……」

 『くぐり椅子』と一体化して数分後、軽く調教する際に好む黒のレオタードに着換えた寮監がやってきた。 




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