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海外赴任
【フェチ/マニア 官能小説】

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ダリアの引継ぎ-3

性行為を終えたダリアは脱いだ洋服と着替えの鞄を持って浴室に移動していた。アダルトビデオのテレビモニターを消して、エレナが淹れてくれた香ばしい珈琲をフラスコからマグカップに注いで換気窓から聞こえる外の喧噪に耳を澄ませて余韻に浸かっていた。

「ダリアさんはお風呂?」
「エレナか。驚いたよ」
「ずっと見てたわ。お仕事教えてもらおうと思って見てたのよ」
「そうか。見てたのか」
「凄いわ。ダリアさん」
「その通り、ダリアは凄いと思うよ」

ダリアを褒めるエレナに少し違和感を否めなかったが、正直どうでも良かった。何れダリアに変わってエレナにしてもらう事だ。それを見られた所で何も問題はなかった。

「エレナ、僕が湯船から上がったら浴室の清掃道具の場所を教えて貰いなさい。ダリアはエレナに教えたら今日は帰るだけだ」
「分かったわ。ダリアさんは今はシャワー中なのよね」

浴室に耳を澄ましたエレナはシャワーの音を確かめていた。何かを言いたそうに僕を見上げ、言葉を掛ける切欠を探しているようだった。

「どうした。何かあるのか?」
「ねぇ。わたしにもさっきと同じことをしてもいいのよ」

頬を染めながら卑猥な行為を受け入れると認めたエレナに笑ってしまっていた。まだ21歳でここまで言い切れる度胸に心から関心してしまっていた。

「明日から頼むよ。期待してる」
「うん。ちょっと恥ずかしいけどOKよ」

超ミニのホットパンツ姿でダークブロンドの髪を触りながら照れているようだった。抱きしめたくなるほどの可愛らしい姿だった。エレナの頭に手を置いて、湯船から上がったらダリアさんの所に行きなさい。と諭して浴室に移動し始めていた。

脱衣室でダリアと入れ替わるようにシャワーを浴びて、着替えたダリアの元にエレナを呼んでいた。

「ダリア、あとは頼むよ」
「OKよ。道具を教えたら終わりね」

脱衣室に現れたエレナに微笑んで、ダリアに託すように部屋を後にしていた。リビングに戻った僕は、換気窓を締めて室内に冷房を効かせるように室温機を調整していた。僕が住む街は、炎天下になると40度近くまで上がる亜熱帯地域だった。冬はなく雨季と乾季を繰り返す日差しの強い国だ。乾季の今、湿度は80%を超えているはずだった。冷蔵庫からザクロを取り出して齧りながら、インターネットラジオで日本の音楽を聴いていた。

「引き継ぎは終わりよ。この娘は覚えが早いわ」
「ダリアさん、ありがとうございます」
「私は帰るわよ。今日の仕事終わりね」
「お疲れさん。明日、他の部屋の引き継ぎをして貰いたい。今日はOKだ」
「OK。明日は昼過ぎに来るわね」

大人の微笑みで手を振って僕たちの元を後にしていた。ダリアらしい優しさに玄関まで見送ってあげることにしていた。

「なぁ、ダリア。今週一杯で引き継ぎは終われそうか?」
「問題ないわ。本当は引き継ぎなんて要らないのよ。明日で終わりにするか今週一杯にするか、決めるのは貴方よ」

華麗な大人のウインクを決めて僕の元を去ってしまっていた。大人の行動だった。ダリアの優しさに感謝して姿が見えなくなるまで手を振ってあげていた。


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