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快楽堂治療院
【SM 官能小説】

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快楽堂治療院3-9

「アアーーんっ!」
「ゃぁ…アアアァァァ…」
「ぅんっ…んあっ…」
「ヒィァァ…」
診察室の中から、奈穂子の絶叫にも似た喘ぎ声が響く。
待合室の廊下に寝そべったマックの耳が、時折ピクッ、ピクッと動き、声のする方に向いた。
徳太郎の自信作が次から次に奈穂子の体で試されているのだろう。
奈穂子の艶声に混じって時折
「うん、これは採用してもいいね」
「これは却下!」
「そんな事言わないでくれよぉ〜」
神崎親子の声も聞こえる。
全ての試作品が試された後で、奈穂子の体は、診察室の椅子の上でグッタリと力を失ったきり、1時間近く動く事が出来ないでいた。
途中、直腸を刺激され、決して便秘では無く、毎日きちんと排便しているはずの奈穂子の体の奥から、ニュルニュルと勝手に流れ出してきた便を感じた時には、流石に死にそうな程の羞恥を覚えたが、その時同時に剥き出しにされたクリ○リスに鍼灸針を突き立てられていた為、成す術もなく便を流しながら果ててしまった。
その後も、新作の為の参考にと、徳太郎自身に、体のありとあらゆる部分の採寸をされた。
ノギスに挟まれた自分の乳首や、筒状の定規を沈み込ませた自分の秘所を思うと、今考えても恥ずかしいが、その時には快感以外の何も感じられなかった事を、グッタリと体を横たえた椅子の上で、ぼんやりと思い出している奈穂子なのであった。


「今日は本当にありがとう」
「少しは役に立てたのかしら?」
「そりゃもう!親父の奴、大喜びで帰って行ったし…また新作作って持ってくるだろうな…」
「そう、ひょとしてまた私に試させてくれって言うのかしら…?」
「あぁ〜、言うだろうね、きっと」
治療院からの帰り道、神崎と奈穂子は並んで歩きながら、そんな言葉を交わしていた。
リードに繋がれたマックが、行儀良く二人に添って歩く。
「私の体力…保つかしら?」
「疲れた?」
「グッタリよ!」
時折笑い声も混じっている。
「ごめんね、いつもは症状に合わせた治療しかしないんだけど…」
「いいのよ…それに…」
「それに?」
言いよどむ奈穂子に、神崎が先を促す。
「おばあちゃんが治療院に通い詰めてたわけがわかった気がするの」
フフフ…と笑いを声に出し、奈穂子が言った。
「ふぅ〜ん…そうなの?」
相変わらず全くわからないといった顔で神崎が答える。
「そうよ、それに治療院が大盛況なわけも…ネ!」
パチッとウインクしながら奈穂子が言った。
「???」
「ま、いいわ。それじゃ、明日からよろしくね」
ポカンとしたままの神崎に手を振り、奈穂子は家へと駆けだしていった。
「あ、ああ…よろしく…」
「オォーーン」
体を長く伸ばし、マックが奈穂子の後ろ姿に向かい遠吠える。
奈穂子の後ろ姿に手を振り返し見送る神崎に、暖かい春の風が撫でるように吹きすぎる。
…神崎にもいつか春が来る時があるのだろうか?
しばらくは……無理だろな…
シシシシシ…
マックが地面に向かって俯き、歯から抜けるような音をたてて小さく笑っていた。


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