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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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開花-5

その白く開花した花と似た物が祖父の遺影の近くに飾られていた。

棺桶にはぐっすりと眠る祖父の顔が、たまに仕事で疲れて仕込みの予定時間にも関わらずぐーすか眠って「若葉ー、今日も可愛いなぁー」何て訳の分からない寝言を言うだけで幾ら私が布団を取っても幾ら声を掛けても起きないようなそんな寝顔とほとんど変わらず。

「嘘つき…。」

一兄達一家が訪れた時に皆で焼き肉店へ行き、外の空気を共に吸いに出た時を思い返す。

「最愛の孫娘の花嫁衣裳を目にするまではまだ三途の川は渡らん。」

そう言い切っていたのに…。

父も祖父も何なんだ、私という娘孫娘を幸せにする為に沢山苦労するだけして恩返ししようと思った途端私の元から永遠に離れる何て。

そりゃー高齢だし何より私の為に老体に鞭打って頑張って来たし、心の奥底ではいずれこうなっちゃうんじゃないかって覚悟はしていた、けど…。

「若葉…。」

葬式には一兄達も来ていて。

祖父との出来事が走馬灯のようにフラッシュバックされる。

正月旅行でホテルまで車を運転し私やその友人たちを連れて行ってくれたお爺ちゃん。

風馬君と付き合い、将来は店を彼と継ぐと言って激怒するも最後には彼を認めてくれたお爺ちゃん。

私とお父さんを小さい頃に捨てたお母さんが再び現れて「今更何しに来た?」と母を許さなかったお爺ちゃん。

私が妊娠してしまい心の臓が飛び出し、困惑したお爺ちゃん。

一兄達が来て、和気あいあいと楽しそうなお爺ちゃん。

……そんな彼を見れない、もう永遠に…。

そう思うと胸が締め付けられる。

「うっ、うう、お爺……ちゃん。」

未だ事実を正確に受け入れられない。

ちゃんと、「ありがとう」って言わなきゃいけないのに。

そんな弱弱しい私の背中をじっと重たい瞳で見つめる風馬君…。

次回、63話に続く。


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