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人類ポニーガール化計画
【調教 官能小説】

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第31話『みんなで競馬』-2

 パドックをぐるりと周回したあと、ウマ達は出走ゲートへ向かう。 背中に置いた鞍に直接騎手がのって鞭をいれる『徒競走競馬』、2輪のカートを曳いて走る『籠曳競馬』、橇をひっぱる『ばんえい競馬』、設置された障害や水郷を超えて競う『障害競馬』というように、一口に競馬といっても様々な形式があるが、『桜賞』は『ばんえい競馬』だ。 牽引負荷が最もかかる、ウマにとって過酷な形式のレース。 馬房にて橇と腰を連結されたウマたちは、橇の重さを確かめるように、心持ち前のめりに前傾しつつゲートに入った。

 直後、パァンッ、空砲が鳴る。 全馬一斉にスタートだ。 騎手は橇の上から、鞭の代わりに手綱を振るう。 ビシッ、ビシッ、手綱が烈しくウマたちの背中に炸裂した。 手綱による打擲は、しなりが無い分鞭と比べて速度に劣るが、重みがある分芯に響く。 騎手たちがこぞって手綱で叩く由縁は、橇をつけて追い抜くことは難しくスタートダッシュが勝負を分けることが周知されているためだ。 
 
 ギシギシ、グイグイ、ズズ、ズズズッ……。

 軋みながら僅かずつ加速する橇と、顔を筆頭に全身を真っ赤に上気させながら橇をひくウマ。 ゲートの中で手綱は結び変えられており、橇から伸びた2本の綱は、それぞれウマが背中で括った左右の腕に沿い、脇を通って両の乳首に繋いである。 綱を体の一部、例えば首や腰に固定してしまうとささくれが擦れて肌が痛むため、綱がより柔軟に曳けるよう試行錯誤を経て選ばれたのが、乳房の弾性で上下に振るえる乳首というわけだ。
 
 ズッ、ズリッ、ズリズリズリッ。

 とはいえ、計8頭の競走馬の乳首を眺めても、弾んだり震えたりする乳首は一つもない。 例外なくコリッコリに勃起したうえ乳首の根本をギチギチに搾られ、その上で乳首なぞもげよとばかりに、ピンと張ったまま身体の側面にへばりつく。 橇の圧でひしゃげた乳房同様に乳首の先端も外を向き、本来柔らかい双乳の谷間があるべき部分は真っ平らだ。 乳首は微かに震えるだけで、綱ごと皮下脂肪にめり込んでいた。 8頭の乳首、乳房が騎手を乗せた橇の重みを、百の言葉より明確に物語っている。

 ズズズッ、ズズズズッ……。

 乳首を酷使しつつ、次第に加速するウマと橇。 何があっても膝を水平に上げるルールは競走時とて健在だ。 地面を強くけるには前傾するしかなく、180度近く身体を傾けながら橇を挽く。 ざわついていた観客のうち半分は、ウマたちの驚異的な体力、気力に圧倒されて言葉を無くし、残り半分は会場の熱気に煽られたのだろうか、大声で『クリマンコ』『シコッテハニー』『ケツアナクサマンコ』等、目当てのウマを名前で呼ぶ。 実際、ウマたちが気力体力を振り絞る光景は、無様を通り越して神々しさすら漂っていた。

 ズゾゾゾゾ、ズゾッ、ズゾゾゾッ、

 スタートからトラックを1周するレースだ。 最初のカーブにかかるころには、既に先頭が集団から抜けていた。 最内をとった『マンコオッパイ』がジリジリと差を広げる。  カーブを出たときには、2番手『クリマンコ』を3馬身以上離していた。 こうなってからは流れは変化しようがない。 最初につけた差を守った『マンコオッパイ』が1着を得る。 最初に乱打された手綱によって背中を真紅の線条痕だらけにされながらも、泣き声一つ、弱音一つ零さないでの完走。 誰が煽るでもなく、自然に会場から大きな拍手が湧き、それは8頭目のウマがゴールするまで続いた。

 ファンファーレが響き、グラウンド中央で表彰式が始まる。

 身体中、特におっぱいの根本と乳首が真っ赤っ赤になったウマたちが表彰台の前に並ぶ。 8位から4位までは橇を引いたときの格好だが、1位から3位のウマは橇の代わりに鐙と鞍を装着し、馬主に跨られての登場だ。 優勝できなかったとはいえ表彰台に登れるのだから喜んでもよさそうなものだが、2、3位のウマに笑顔はない。 というか、1位の『マンコオッパイ』も無表情だった。 それはそのはずで、ウマたるものは自分を家畜に貶める日々を通じ、感情を徹底的に抑制するよう躾けられている。 躾の最上位ともいうべき競走馬に笑顔を期待すること自体、そぼそぼ野暮というものだ。 ウマ達が無表情な分、鞍上した馬主たちの笑顔が映える。 2、3位の馬主にメダルが贈呈され、1位の馬主に優勝トロフィーが渡された。 表彰台の最上位に位置する馬主が、トロフィーで『マンコオッパイ』の乳房をこづく。 すると、ジャジャッ、ジョロロロロ……タイミングを合わせて腰を落とした『マンコオッパイ』が、僅かに足を開いて真下に黄色い尿を放った。 恒例の『勝ち馬によるマーキング』だ。 『桜賞』ともなれば選りすぐられたウマであり、腰の落とし方も品がある。 ほんの僅かに足を拡げての放尿は真下の表彰台を直撃し、八方均等に飛び散った。 ちなみに陰唇を手で拡げたりしていないにもかかわらず、尿道口から放つ際の飛沫はなく、残尿が太腿を垂れることもない。 鍛えられ、躾けられた膀胱だからこそ為せる業だ。

 改めて観客から拍手が起きる。 これは『会場の空気を壊した観客には罰則がある』ためだが、本気で競走馬の雄姿――いや、この場合は牝姿というべきか――に感動したものも決して少なくはない。

 完全配給制がとられているため、掛け率、払戻金といった世俗は関係ない。 馬主とウマには名誉が与えられ、観客はウマがもつ可能性に感動する、だだそれだけのシンプルな競技――競馬。 やがて国産馬が外国馬に打ち克つ日もくるのだろうが、現在のところG1優勝はすべて外国産、すなわちニホン産馬が占めている。
 


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