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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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傷つけ合いな学校祭-6

どうしてこんな事に…。

未だ出口の看板も見えず延々と段ボールの壁を見続ける私。

この期に及んで未だに意地悪してゴールへ導いてくれない蓮。

この状況で味方で支えとなる筈のあたるが言い放った衝撃発言。

「…お父さんと一緒に住むの?」
「あ、あぁ。」
「お兄さん達はどうしたのよ。」
「あれから色々と考えたんだ、兄さん達の負担になるより親父と暮らした方が良いんじゃないかって。」

あれから彼の親父さんも心を入れ替えて再婚相手とも上手く行ってるようで。

「じゃー、お父さんともう一度やり直すって訳だ。」
「まぁな、とはいっても俺はもう独身だけど…。」
「……。」

やっぱり、早乙女先輩とは別れたんだ。

「兄さん達や親父の事で色々してるうちに疎遠になって、けどまさか先輩の方からフッてくる何てな…。」
「あたる…。」

落ち着け巴。あたるが私達の元に戻って来るんだ、こんな嬉しい事は無い筈だ。そりゃー級の事で心臓が飛び出す勢いではあったけど冷静に考えればいい話じゃないか。

でも、先輩と別れる何て。

…何だろう、どことなくそれが嵐の予感を告げているような、女のカンが。

まさかまさか、気のせい…よね?

「さぁ、そうと決まったらとっと出るぞこんな所。」
「でも…。」

そう話していても出口へ辿り着ける様子もなく。

「蓮の奴、ケータイ何か持って、撮影してんだな、俺らの様子を面白がって。」
「………。」

あたるの一件は取りあえず片付いた、けどまだ私の心の重荷は完全に取り除けてはいないようで。

「ったくあいつはぁー!後で焼きいれんとな……巴?」

いい加減頭に血が昇って、怒り、というより深い心労が…。あたるが変な事急に言い出して私を脅かして、一応はホッとしたかと思えばあのバカは人を閉じ込めて楽しんでるし。

そう思ったら力が抜けて、片手で顔を隠し、糸の切れた操り人形のように膝をストンと床に着ける。

「巴…。」
「…っ、何よ…折角楽しい学校祭になると思ったのに…。」

こんな風にむくれては駄目なんだろうけど、でも、でも…。

「ふんふんふぅーーん♪さて!そろそろ出してやる……ん?」

私の異変に目が留まる彼。

「あ……。」

気づくのおせーんだよ!この大馬鹿野郎っ!!



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