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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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傷つけ合いな学校祭-5

「有難う御座いましたー、またのお越しをー!」

って何か違うか。

開店から早二時間、客足が減る素振りはまるでなく商売繁盛だ。

最初は足元がスースーして違和感を隠せずにいたこのメイド服も慣れればそんなに悪く…
いや、もう二度と袖を通したくないのは事実だが。

早くいつもの制服に着替えたい、生足がを見せるよりズボンを。

「やめてください!放して下さい!」
「っ!!」

そんなこんな考えていると若葉ちゃんの悲鳴が。

「君幾つ?何でメイド服じゃないの?」
「仕事中ですー、他にも待ってるお客が。」

僕の彼女が見るからにマナーの悪そうな男たち腕を掴まれ困っている。

「若葉ちゃん!」

すぐに駆け付けてあんな連中追い払いたいけど一応客だし…。

「いいじゃんか、そう硬い事言わずー。」
「そうだぜ、この後俺らで祭りを回ろうぜ!」
「やめて、放してってばぁ!」

……。

何を考えているんだ僕は!客だから手出し出来ない?それは確かだ、クラスの委員長も皆この学校祭成功の為に当たり前のように放課後残って準備を行った、故にそんな祭りに遥々足を運んできてくれた人たちを追い払う何て暴挙なんぞ言語道断…。

…でも、それがどうした?

目の前で自分の大切な人が嫌がっているのを放っておくなんて出来る筈がない!

僕は意を決してツカツカと自分の恋人に汚い手で掴む輩へ歩むよる、すると。

「いででででぇ、んだてめーは!」
「おいアンタ、この子が皆の為に働いてんの分かってやってんか?」

男の腕を乱暴に握りあげるその男性、その人はつい最近見かけた事のある。

「一兄!」
「ここってカフェを楽しむ所だろ?」
「うぎぎ…。」
「ナンパなら他所でやれっ!」
「お、おいもういこーぜ!」

彼に怖気づき、早々にこの喫茶を後にする。

「大丈夫か、若葉?」
「う、うん、少し怖かったけど大丈夫、それよりどうしてここに?」
「そりゃー勿論可愛い従兄妹の晴れ舞台を見に来たに決まっているだろ?」
「うわぁー嬉しい!是非ゆっくりしていってね♪」
「おうっ、ほらまた呼んでるぞ!」

彼に一礼し、仕事に戻る彼女。

なんだよーアイツー💢

急に胸の辺りがムカムカしてきた。


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