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人類ポニーガール化計画
【調教 官能小説】

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第22話『ヌカず嫌い王選手権』-4

『けほっけほっ、おえっ……えふっ』

『ははっ、綺麗になった。 唾がついてクサいだろうけど、そこは気にせず残りの毛も抜いちゃおう。 抜いたら残さず食べるってことで。 あんまり時間残ってないよぉ』

『げふっ……い、いい加減にしなさいよ! こっちが大人しくしてれば調子に乗って――』

『あれ、いいの? 司会に逆らったら『強制執行』になっちゃうよ? いままで『2ch』の番組、見たことない?』

『……!』

『ちゃんとやってくれないなら、次の出演者に出てきてもらうだけさ。 貴方の代わりなんていくらでもいるんだから。 まあ、今更だけど、僕っていうか『司会』の言うことは素直に聞いた方がいいと思うけどなぁ。 『強制執行』、嫌でしょ?』

『……げほっ、けほっ……』

『どんどん時間経ってるよねぇ。 あ、もしかして僕に抜いて欲しかったりする? いいよぉ、思いっきり毟ってあげる。 他人に抜かれるのって、刺激的でたまんないよね、あっはっは。 貴方以外とマニアだねぇ』

 噎せる『A』を労わるどころか笑い飛ばし、更なる脱毛を促す司会。 涙目の『A』は、ここに至り、ようやく事態の重さを認識する。 既に彼女には、司会が言う通りに振舞うしか道が無い。 というより、司会が力づくで振舞った場合、彼女は好き放題されるしかない。 『2ch』番組内は半ば治外法権であり、彼女に味方は1人もいない。

 プチッ、プツッ、ブチッ。

『うう……つっ……いつっ……』

 それからしばらく『A』が無言で鼻毛を抜く時間が過ぎた。 実際『A』に鼻毛は多かった。 特に鼻隔から無数の毛が伸びていて、それらを全部抜くのは至難の業だ。 長い鼻毛より、短い方が抜くときの痛みも刺激も強い。 『A』は涙と、そして鼻から何度も鼻水を溢れさせ、その度に司会に笑われながらハンカチで拭う。 やがて指定された時間が過ぎるころ、『A』はパッと見、すべての鼻毛を抜き終える。 鼻の頭まで真っ赤にして、毛抜きを抜いたあとも鼻水が縁に垂れている。 もともと整っていた容貌があっという間に崩れ、今や端正な面持ちはどこへやら、幼くみっともない印象だ。 ちなみに脱毛の一部始終はカメラで克明に捉えられ、モニター越しに全国ネットで配信された。

『ああ、随分サッパリしたよ。 これなら同僚として恥ずかしくないんじゃないかな。 どう?』

 司会が男性に水を向ける。

『そうですね……いつもこれくらいキチンとしてくれれば、まあ、我慢できます』

 頷く男性。 女性がボソリと『アンタだってフケを飛ばしてるでしょうに……』と呟くも、華麗にスルー。 客観的にみれば、確かに男性も清潔感があるとは言い辛い面があるが、それはそれ、これはこれだ。

『よかったねぇ、Aさん。 彼、貴方の鼻毛、我慢してくれるって』

『……ありがと』

『違う違う、そこは気持ちを込めて、ありがとうございます、でしょ』

『……ありがとうございます』

 何度目だろうか、鼻を啜りながら女性が頭をさげた。 そんな『A』に見向きもせず、司会と男性が打ち合わせる。

『抜き加減はこんなもんとして、抜く回数も決めておこうか。 職場に無事復帰出来たら、ええっと、今は毛の手入れが朝だけなんだよね。 なら、お昼休みにもう一回、鼻毛のお手入れするってことで、どうだろう』

『うーん……正直、彼女、毛が異常に早く伸びるんですよ。 個人的には、最初にも言いましたけど、1時間に1回は脱毛して欲しいかなって』

『ちょっと多すぎる気もするがなぁ。 ま、身近な人の意見は尊重するよ。 ってことでAさん、脱毛は職場で1時間に1回に決まったから、鼻毛抜き、頑張ろうな』

 ニコッ。 勝手に話を進める司会。

『そうしてください。 汚い鼻毛はみたくないんで』

 ボソッと吐き捨てる男性。 ここで初めて『A』が男性に喰ってかかった。 

『あ、アンタねぇ、さっきから聞いてれば、いい加減にしてよっ。 い、一時間に一回? なにそれ、あたしに毎時間鼻毛を抜けっていうの? そんなの一日中鼻毛だけ抜いてろってことじゃない!』

『いけませんか?』

『冗談じゃないわっ。 百歩譲ってお昼にカッターで処理するくらいなら考えてあげてもいいけどね、出来ることと出来ないことがあるの。 だいたいあたしより自分の方がよっぽど――』

 いきり立つ『A』。 慌てて司会が割って入り ちゃぶ台に身を乗り出す『A』を司会が宥(なだ)める。

『まあまあ、ここは穏便に。 これ以上文句いうなら、彼がアドバイスしてくれなくなっちゃうよ? そしたら自動的に番組は終了、貴方は『強制執行』に直行だけど、それでもいいのかな?』

『……うぐっ……』

『いいのかな? 返事がないなら、僕はそれでもいいけどね』

『……よ、よくないです……』

『え? 聞こえないよ?』

『よくないです!』

 ギュッと目をつぶった『A』が大声をだす。 




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