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没作品 硝子の心 処女作
【若奥さん 官能小説】

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36歳の婚活-2

「紅茶です。よかったらどうぞ」

いつのまにか着替えた直人は恥ずかしそうにテーブルにそっと置くと静かにコの字型の一人掛けソファーにゆっくり腰を落としている所だった。

「あら、気が利くわね」

いつのまにか部屋着に着替えた直人の姿には触れずに、わたしは四人掛けの広い重厚な天鵞絨のソファーに腰を落としながら咄嗟に答えていた。

紅茶の滑らかな香りがリビングを浸し、わたしはゆっくりと目を閉じてその香りを確かめては紅茶を楽しんでいた。

直人の普段着はごくごく普通のスウェットにTシャツ姿でありスイートルームのような部屋とは全くかけ離れたような違和感を感じながらも「やっぱり24歳は、そんなもんね」と思いながらまた目を閉じて紅茶を楽しんでいた。

「ここに鏡があるでしょ」

直人が指す方向を見ると確かにわたしの目の前に掛けられたあまりにも巨大な真四角の鏡が四人掛けソファー全体を真正面からわたしを見返しているようだった。

「これがね。一番、高かったんだ」

「何なのこれ」とは言えなかったが、へーそうなんだ程度の相槌を返すだけの歳は重ねていた。それでも、一体何故こんな所に巨大な鏡を掛けたのかは分からなかった。

「どうして、ここに飾ったのかしら」

直人に聞こうと振り向いたとき、直人はスウェットを膝まで提げてわたしの直ぐその目の前にガッチリと反り立ったモノを不気味な手付きでわたしの口許に竿先を添えようとしている所だった。

わたしには何が起きたのかを理解する隙を与えられることは無かった。
直人は不気味に反り立つ竿を運びながら泳ぐ目線でわたしの脚先から胸元を何度も危やうい眼つきで横から見下ろし、先端に溢れでてきた液体を零しながら脚先から胸元を危ない眼つきで何度も繰り返し見ている状態だった。

わたしは反射的に目を逸らそうと前を向いたが、そこには巨大な鏡が信じ難いわたしたちの姿を完全に映しだしていた。

わたしの真横に起立した異常な姿の直人はわたしの口先に反り返った先端を触れさせようと不気味に竿先を運びその横に行儀よく座っているわたしの姿は紅茶を前にさっき塗り直した淡いグロスを輝かて唖然とした表情で佇んでいた。目の前の大きな鏡はその矛盾した全ての景色を余すことなく映しだしている状態だった。

わたしは動くことができなかった。

視界の隅に張ち切れそうに膨らんだ先端がはっきりと見え、鼻先には先端から溢れ出した液体の生温いあの臭いが入り込み鏡に映るわたしの口許には触れそうで触れていない反り返って勃起した生々しく膨らんだ先端がはっきりと映しだされていた。

直人は何も言わないが鏡越しにその目線が、わたしの脚元から胸元を忙しく眺めていることは理解できた。
スウェットを足首に落とし起立した直人は反り返る竿先を口許に近づけながら爪先で伸び上がるように起立してわたしを狂ったように眺めている異常な状態だった。

わたしはまだ動けなかった。

鏡に映るわたしは、グロスを塗った口許に触れられそうな熱い先端に震えながらそれでも脚を揃えて綺麗な曲線を保つように行儀良く座っていることに必死な姿が映っていた。


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