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《見えない鎖》
【鬼畜 官能小説】

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〈特別な日〉-8

「むおぉぉぉおぉおッ!」


通常の、樹脂製で穴の開いた空洞のギャグとは違い、芯までシリコンで出来たギャグは、花恋の口腔を完全に塞いでいる。
グニャリと柔らかなシリコンは変形も自在で、悲鳴どころか呼吸までも許さない。

鼻呼吸しか出来ない息苦しさ……怖くて涙が溢れても花恋は裕太を、そして裕樹を交互に睨む。

弱虫のように縮こまり、ただ好いように弄ばれるような真似だけは、花恋はしたくなかった。
それは、この兄弟に弱い自分を見せたりしたら、きっと“弱さ”に付け込み、何度でもレイプしてくると感じていたから。
白日に曝された兄弟の異常性は、その可能性を否定させない……いや、それはもはや断定といっても過言ではなかったからだ。


『オマエがママに「レイプされた」なんて言ったら、間違いなくオマエを連れてこの家から出ていくだろうな?……で、何処に行く?何処に住む?何処で働くんだい?』

「ッ!!!」


卑劣にも裕太は、新しく家族となった母娘の《弱味》を口にした。
触れられたくない部分を、触れてはいけない部分を、裕太はいきなり突いたのだ。


『息子を訴えて出てった女を、親父が雇い続けるとは思えないなあ?オマエのママだってレイプ魔の父親の会社なんか嫌だろうし、慰謝料だって“意地”になって受け取るかどうか……さて、50才に近いババアを雇ってくれる会社なんて……あるのかなあ?』

「ぐ…ッ…んぐ…ッ!」

『コンビニのバイトくらいかなあ?あんな安い給料でアパート代とか食費とか学費とか……あ〜、キツいキツい……』


言ってみれば母娘は、ここの家に依存している。
社長夫人として事務職の仕事を与えてもらい、食費も学費も辿っていけば父親の会社の経済力へと繋がる。


『オマエを大学まで行かせられるって、ママがあんなに喜んでたのに……散々貧乏に苦しめられて、やっと掴んだ幸せを……フフッ…可哀想だと思わないのか?』

「ッ……!!!」


ここまで残酷な言葉を吐けるのかと、こんなにも恐ろしい男だったのかと、花恋は心胆から震えた。
裕太の掌が震える太股に触れても花恋は足掻く事もなく、裕樹の指先がブラジャーに触れても、全く動けなかった。


『このワンピースは誰の金で買った?このブラジャーは?このパンティは?フッヒヒヒ…強がんなよ貧乏人』

「んぎッ……ん"ん"ッ!」


裕太は花恋の立てられた膝を掴むと、グイッと股間を開かせた。
今まではカメラ越しにしか見られなかった小さな膨らみは、文字通り手を伸ばせば届く距離にある。


「んう…ズズッ……ふ……ふ……」


いつの間にか鋭い眼光は失せ、弱虫の瞳はボロボロと涙を溢れさせていた。


これから何をされても黙っているしかない。
そして、母娘を軽蔑している悪鬼の如き兄弟と、一緒に暮らしていかなければならない。


血の涙は今のレイプだけではなく、これからの運命を恐れての事。
このレイプが単なる《始まり》でしかないという、絶望の涙なのだ。



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