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人類ポニーガール化計画
【調教 官能小説】

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第14話『一般人格付けチェック』-5

 パッと見、キューティクルも毛先の整い具合も【A】の方が優れている。 ただしよくよく観察すると、【A】の毛は生え際が微かに縮れていて、毛先と違ってささくれもある。 一方【B】は、決して毛が荒れているわけではないのだが、キューティクルがきめ細かいかというと、特に綺麗なわけではない。 如いて言えば、ただ無造作に梳いただけのセミロング、といえるだろうか。 【A】か【B】か、出演者の解答は真っ二つに分かれる。 【A】の部屋では『4問連続不正解者』が5人、【B】には顔をフル装備で変形された一般市民が3人、運命の告知を待っている中で司会者が訪れたのは――【B】の部屋。 【A】はストレートパーマを宛てた、作為された髪だった。 その証拠に生え際には癖が残っており、全体のバランスはとれていない。 少しでも見た目を良くするためにパーマを宛てるなど、所詮は裸馬の浅知恵だ。 正規の軍馬たるもの、自己を自然の素材として、ありのままに表現しなくてはいけない。 過剰な装飾・作為は欺瞞だ。 牝たるものは、ありのままの自分を常に晒して生き恥をかくことが、何にもまして優先する。 ゆえに【B】は一切の手を加えない髪であり、自然のままでこれだけ美しいことに価値がある。 見た目の美しさのみに気を取られ、本質を見誤った出演者たちは、何も言えずにその場に立ち尽くすしかなかった。

 出演者10名が両部屋から雛壇へと戻ってくる。 一流一般市民からスタートした10名の行き着く先は、『3流一般市民2名』、『裸馬(4問不正解)3頭』、『駄馬(5問不正解)5頭』となった。 駄馬に堕ちた5名は、その場で手足を椅子に拘束される。 司会者が5名の頭にサッと薬を蒔くと、たちまち頭髪がごっそり抜け……ツルツルの頭皮が露わになった。 『駄馬』……即ち『裸馬』以下の存在で、『従順さ』『知識』『素養』『嗜み』『謙譲の美徳』がいずれも及第点に達していない、社会に不必要なウマをいう。 司会者が『一般市民を偽ったけしからん駄馬がいたようで、さっさと退場してもらいましょうかねぇ。 映す価値もないし、この国には駄馬に吸わせる酸素はないし。 ええっと、駄馬はどうするんでしたっけ……あ、そう、『サウスペニンシュラ』に移送するの? あぁ……いいんじゃない? あそこなら『駄馬』も役に立つかもしれないよねぇ……そうと決まってるなら早速運んじゃってくださいよ、ねえ。 もう駄馬とわかれば見るのも嫌なんで、ちゃっちゃと遠くに連れてって、ほらっ、スタッフぅ〜』と舞台袖に声をかける。 ガラガラガラ……、ステージに5つの檻が搬入される。 5人、いや5頭の『駄馬』には抵抗する隙も与えない。 ザザッ、乱暴に檻へ押し込まれた5頭は、髪を失い、目、耳、鼻、口のすべてを拘束された格好のままステージを後にした。 

 残された出演者のうち、4問不正解で『裸馬』になった3名に対して今後の措置が申し渡される。 『2ch』の番組で司会者が登場する場合、司会者は出演者に対して『罪状認否役』と『判決申し渡し役』も兼ねていた。 3名は『裸馬の分際で一般市民を偽って生活した欺瞞罪を適用。 一生涯を『完全裸馬』として――すなわち、特別措置を除く定期昇格なしの裸馬として――過ごす。 特殊な裸馬の証に、目・鼻・耳・口の開具をつけた状態での裸馬勤務を半年命じる』と告げられ、項垂れる。 ただし口は開ききっており、異論があっても言葉には出来ない。 司会者がスタッフを呼び、3名、いや3頭を先ほどよりは大き目の檻に収納させ、ステージから運び去らせた。 残り2名に対する措置も、併せて申し渡される。 『一流市民でないくせに傲岸に振舞った過度で不遜罪を適用。 今後1ヶ月間『ポニー調教』を受け、目・鼻・口の開具をつけた状態での裸馬勤務1ヶ月』 市民に対するペナルティとしては、決して軽いものではない。 けれど、いくら重たいペナルティだろうと、目の前で『駄馬』の宣告を受けた女性と比べれば、寛大な措置に思えたのだろう。 2名はしおらしく判決に頷き、現れたスタッフに首輪を引かれ、ステージから立ち去った。 



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