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人類ポニーガール化計画
【調教 官能小説】

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第8話『売春メッセージ』-1


9月○日。

 久しぶりに――といっても10日ぶりだけど――セントラルパークに行った。 『軍馬のトレーニング』を一般公開するというチラシが学校で配られたからだ。 クラスの友達を誘ったけど、返事は捗々しくなかったから、いつも通りヨアンと2人で見に行った。 トレーニングは『機械』で行うようだった。

 腿あげ――軍馬は太腿が水平になるまで足を挙げながら行進する――の訓練では、軍馬の腰の高さにバーがあり、腿がバーにあたるとランプが点滅する仕組みになっている。 軍馬は毎回ランプを点滅させながら、延々と腿あげを繰り返すことで、常に水平の高さまで腿をあげる脚力を得る。

 短距離――ランニングマシーンに乗った軍馬が、短距離ダッシュとスローペースを交互に繰り返す。 ダッシュ時のマシーンは時速60キロで、スローペース時は20キロだ。 全力でダッシュする軍馬は、背筋を伸ばしてから大きなストライドでマシーンを駆ける。 脚質といいピンと爪先まで伸びたブーツといい、軍馬の脚線は美しい。

 長距離――ラウンドに繋がれた軍馬たちが、高速で回るラウンドに遅れないよう、延々と輪を描きながら走り続ける。 ラウンドの時速は40キロというところだろうか。 ラウンドから伸びたゴム紐が軍馬たちの首輪をひっぱっており、全員顎を前にだしてつんのめるように走る。 顎をつきだして走る光景は、他の運動とは違い、いかにも家畜然としてみっともない代物だ。

 牽引――錘をのせたタイヤを引っ張る。 錘は40キロ、60キロ、80キロというように、20キロ刻みで200キロまで用意されている。 軍馬たちは腰綱でもってタイヤに繋がれ、鼻息荒く、錘を引っ張った。 なお軍馬の鼻息は嘶き同様文句が決まっており、傍で聞いていると『オマッ、マンッ、マンッ、マッ』のように、浅ましく聴こえる。

 収縮――軍馬を評価する第一は『肛門括約筋の収縮力』だそうだ。 肛門の締まりがいいということは『下半身が筋肉質で安定する』『尻尾付アナルプラグを落さない』『アナルプラグが着脱可能』などなど枚挙に暇がない。 軍馬たちは壁から突きだした『張型』をアナルに咥えると、騎兵の合図で顔を真っ赤にし、みな息む余り震えながら肛門を締める。 『張型』は加わった圧力を数値化するが、100MPa(マンパスカル)を超えれば軍馬として一流とされ、50MPa以下は再調教の運びになる。

 トレーニング中の軍馬は、普段のラバーを脱いで全裸で――ただしブーツは除く――過ごす。 こうしてみると、どの軍馬もおっぱいが大きく、無駄な脂肪が一切見当たらない。 特に足周りは、脂肪を削いだ筋肉がシュッと伸び、艶々した肌も含めて芸術的だ。 真に美しいものは、ただ外面が綺麗なだけではなく、内面が機能的に優れているものだ。 そういう意味で、軍馬たちは『一流』の存在だと確信できる。 軍馬になりたいとは思わないけど。

 さて、午後だ。 今日の『2ch』は長かった。 たくさんの売春経験者が現れて、自分の経歴や売春についての一ケ言を残してくれる。 どれもこれも、要約すれば『売春はよくない』に過ぎないんだけど、売春経験者が自分の言葉で語る恥ずかしい経歴には重みがあった。 たしかに、こんな放送を見せられた日には、売春する気なんて皆無になる。

 今日も今日とて新しい法律が追加される。 『謙譲美徳法』という名前の新法は、その名の通り『謙譲を貴び』『傲慢を戒める』目的で成文化した。 知識分野と体力分野に分かれるが、どちらにしても『自分が一番すごい』と勘違いした発言・行動をとった場合、軍がその言動を検証する。 というのも、仮に国内で1位だったとしても、ニホン人と比較すれば勝負にならないのだから、見苦しいうぬぼれは事前に摘むべき――そんな主旨の法律らしい。 『検証』ってなんだろう? 素朴な疑問が浮かぶ。 例えば『あたしが一番賢い!』といったとして、本当にあたしが賢いかどうかを一体どうやって検証するというんだろうか? 例えば『あたしが一番エロい!』といったとしたら(言う訳ないけど)、どうやってエロス成分を検証するつもりだろう。 まあ、絶対碌な検証じゃないことは分かっているから、君子危うきに近寄らず。 当分の間、自画自賛は慎んだ方がよさそうだ。





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