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人類ポニーガール化計画
【調教 官能小説】

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第6話『ハイ・グレ・ルーガ』-1


9月○日。

 外がうるさい。 勉強中は窓を開けて、部屋の扉も全開にして、風通しよくするのが気持ち良かったのに、最近はずっと締めっぱなしだ。 うるさい、といっても人の声やご近所さん、犬や猫の鳴き声じゃない。 騎兵と軍馬の蹄が石畳を叩く、カッポカッポいう音が耳障りの元凶だ。 今までは、どうにか我慢できる方だった。 普通の騎兵、つまり軍馬1頭につき騎兵1人が乗ってくるパターンなら、蹄音の重々しさはそれほどでもない。 けれど今週から加わった蹄音は、耳障りのレベルが違う。 最近窓の外から聞こえる軍馬の足音を例えるなら、『マシンガン』か『スネアドラム』だ。 カーテンの隙間から覗いたら、大小色んな馬車が並び、軍馬が集まってそれぞれを曳いて走っていた。 メモ代わりに馬車の種類を書いておく。

 2頭立て馬車。 リアカーのような小さい馬車で、3、4人が立って乗るタイプだ。 騎兵が鞭と手綱をもって前に立ち、後ろには階級が上の軍人だろうか、派手目な軍服が乗っていることが多い。 普段は手枷をつけているだけの軍馬だけれど、馬車を曳くときは腕ごと背中側に回し、ラバーで肩から下をすべてグルグルに縛られている。 馬車の曳棒は腰に繋がれ、2頭の軍馬同士は曳棒を通じて密着していて、窮屈そうなことこの上ない。 けれど、そんなことはお構いなしに騎兵が鞭を振るい、軍馬たちは勢いよく馬車を引っ張って走りだす。 もちろん太腿を水平に上げ、背筋をピンと伸ばした姿勢を崩さずに、だ。 パカパカ、カポカポ、2頭が連続して蹄で音を立てるせいで頭がガンガンする。 ただ『あんな不自然に手を縛られてるくせに、よくもあんな早く走れるものと感心してしまう』のも事実といえば事実だ。 いや、まあ、うっとおしいことはうっとおしいんだけど、息ピッタリで馬車を引っ張る軍馬を見てると、たまに見とれてしまう時もあるわけで……。

 4頭立て馬車。 幌をつけた黒塗りの馬車で、どんな人が乗っているかは外見じゃ分からない。 御者が据わるポジションに騎兵が腰かけていて、曳棒に繋がれた前列2頭、後列2頭の軍馬たちに、長い鞭で指示を出す。 4頭立て馬車はゆっくり一定速度で走るから、外から聞こえる蹄の調子ですぐわかる。 4頭の足音が一分のズレもなく揃っていて、リズムも、いつも全く同じ。 身長が高い軍馬の足音も、痩せてる軍馬も、小柄な軍馬もふっくらした軍馬も、とにかく全部が完璧に同じ足音だ。 どんな軍馬が曳こうとも同じ足音になるというのは、多分何かそうしなきゃいけない理由があるんだろうけれど……ちっとも合理的な理由を思いつかない。 ただの『拘(こだわ)り』なんだろうか? もしそうだとしたら、頭がオカシイとしか思えない。 ちなみにこの馬車の蹄音が一番あたしの勘に障る。 4頭揃っているせいで音自体が大きいし……家の前を通るときは、いつも耳を塞ぐことに決めている。 

 8頭立て馬車。 ものすごく大きくて立派な、明らかに他とは別格の豪華な馬車だ。 御者代わりの騎兵は2人で、軍馬のラバースーツも『黒』ではなく『赤』で統一されている。 違うのはラバースーツの色以外にもあって、例えば軍馬の頭には羽飾りが高々と伸びているし、首輪や足環、蹄やブーツが金色だ。 毎日必ず見かける2頭立て馬車や、1週間に1度はやってくる4頭立てに比べると、見かける頻度は断然少ない。 というか、実はあたしも1回しか見たことがなかったりする。 8頭の軍馬たちは、音、動作、足の動きに至るまで、気持ち悪いくらいピッタリ同じ動きだった。 しかも軍馬同士の身長、体格が瓜二つで、一瞬同じ軍馬が8頭いるかと思ったくらい。 そんなわけなくて、よく似た軍馬を集めて曳かせているんだろうけれど、それにしてもそっくりだった。 ちなみに普段の馬車と比べて歩調がゆっくりしていて、何故だか足音も軽々しかった。 音を立てないよう曳く訓練でも受けているんだろうか? もしそうなら、重たい馬車を足で踏ん張らずに曳く工夫があるんだろうけれど……あたしには想像できない。 とにかく、もしもうるさくせずに曳けるのなら、他の馬車も見習って静かにして欲しい。



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