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紅い色
【ファンタジー 恋愛小説】

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紅い色-2

『だからこれ以上俺が人を殺める前に今此所でお前が俺を殺ってくれ…さあ…』
「逃げる…つもりなの?私は…私に出来る訳ないでしょう!」
『死神なんだろ?』
「いくら死神でも…殺せない人くらい居るわよ!」
『逃げてはない。これ以上俺…』
そう言いかけたところで少女は口を開いた。
「あなたが死んでも、死んだ人は戻って来ない…それにあなたがやらなくてもあの人達は争いかってに死んでいく…ギースさんは死んだ人のためにも罪を償い生きる事です」
『早く殺ってくれ…よ…』
「言いましたよね私はあなたを殺せない…好きな人なんか…殺せませんよ…あなたが居なくなったら私は1人ポッチなんですから…」
少女は言った。
この世界に死神は自分ただ一人だと言う事を。
そんな中この森にいたギースを見て自分と似た感じがして近付いたんだと。
初めて自分の話をまともに聞いてくれたのがギースなんだと。
「ほかの人なんか…気の狂った女にしか見てくれなかった…身体目当てで近付いて来る奴も居た…」
『………』
「もう1人はいや…ギースさん…私と一緒に居…」
突然ヒュッと風を切る音が少女の耳元で聞こえた。
『グッ…』
「ギース…さん?」
少女の目の前で倒れて居る…周りの草が…地面が紅い池になって行く…
「ギースさん?」
『…』
その時だった。
[ひゃははは執行人を殺ったぞ…これで俺は一生遊んで暮らせる!]
乾いた男の声…殺ったのはあいつ…だけど…私はギースさん…
「ギースさん…いやぁいや…ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
此所で少女の意識は無くなった。





夢で…
私はギースさんと話している。
楽しい…こんな時間がずっと続けば良いのに…
ずっと続けば…続けばつづ…
暗くなった。





少女が目を開くと目の前にはあの男であったものが紅く染まっていた。
「あ…ギースさん…何処…?」
自分の大切な人が居ない…数時間前くらいに想いを打ち明けたところなのに…。
さっきまでギースが倒れて居た場所には紅い乾いた池の後しかなかった。
紅い後が付いている…動物の仕業…いや、此所の森の動物は私やギースさんを襲わない…
「ギースさん…」

私は呼びながら歩いた。
紅い後の先には池がありその水際まで後が残って居た。
「まさか自分で…」
私は気が付いたら水に潜って居た底にへと進んでいく。
『…な』
ギースさんの声が聞こえる。

底に行けば行くほど声がはっきりと聞こえるようになる。
『くるな…』
構わず進む。
『俺をみるな…』
ギースの姿が見えるとこれまでやって来た。


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