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大沢商事の地下室
【SM 官能小説】

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知子のショー-6

「……あなたは?……」
 気がつくと見覚えのある大男に抱きかかえられている。
 「お……気づいたね……ママ」
「目が覚めた?」
 里子が近付いてくる……ああ、この人は助手をしてた……。
 だんだんと意識が戻って来た。
「お疲れ様、みんな満足して帰って行ったわよ」
「みんなって……」
「ゲストのことよ」
「ああ……」
「あなたはあそこで15本、口で6本抜いたのよ、そこで気を失ったわ」
「……そんなに……」
「そう、あのね、男はセックスで気を失うなんてあり得ない、一日で15回もセックスすることも出来ないわ、どっちも女の特権よ」
「女の……特権?」
「そう、それとね、男は女を感じさせて喘がせることに喜びを感じるの、女がヒイヒイ言って喘いでればいるほどハッスルするの、可愛いもんでしょ?」
 それはなんとなくわかる……こっちに余裕がなくなればなくなるほど激しく……。
「それと女の側の上手、下手には寛容よ、まあ、人にもよるけど……」
 それは良くわかる、口で受けている時に褒められたり励まされたり……同時に苦い思い出も甦るが……。
「あたしも男女平等には賛成よ、同じ仕事をしたのに賃金が違うなんてのはおかしいし、権利やチャンスも平等に与えられるべきだと思うわ、義務もだけどね……でも男と女はやっぱり違う、男は男の体を、女は女の体を持っているんだもん、性質も違うわ、それが一番端的に出るのがセックス、そう思わない?」
 確かにそう思う……だって……。
 
 
「……私の父は網元でした……」
 ポツリポツリと話し始めた。
「いつも威張っていて、母を女中の様に扱って……嫌いでした……」
「うん、それで?」
「家が嫌で嫌で……一生懸命勉強して東京の大学に……父は女に学歴なんか要らないって……それでも納得させるためには父でも知ってる大学に合格するしかなくて……」
「ふうん、大学どこだか聞いてもいい?」
「W大です……父が知ってるのはT大とW、K大くらいしかなくて……」
「頑張ったのね」
「東京に出てきて、大学に入ったら別世界でした……自由な雰囲気で華やかで……それを満喫したくてテニスのサークルに……そこの先輩に恋したんです……今考えてみれば都会的で洗練された見た目に舞い上がっただけでしたけど……」
「あんまり感心できる男じゃなかったんだ……」
「歓迎会でだいぶ酔ってしまって……気がついたらホテルでした」
「その時、処女だったの?」
「はい……」
「優しくはしてもらえなかったみたいね」
「あっけなく処女を破られて……凄く痛かったですけど、その後も何回も挿入れられて……でも、そういうものなのかなって思ってました、横暴な父を見て育ちましたから……
少なくとも彼は父ほどに横暴には見えませんでしたし」
「あまり上手でもないわね」
「それはわかりませんでした、初めてでしたから……それからも少し付き合ってて、デートの度に抱かれてました……でも感じるって所まで行かなくて……それが面白くなかったんでしょうね、マグロみたいに横になってるだけでちっとも面白くないって、フェラもさせられましたけど下手糞だって……彼とはそれっきり……」
「嫌な男ねぇ……」
「ええ……落ち込みました……そんな時にジェンダーフリーの闘争をしてるグループに誘われて……」
「のめり込んだわけだ」
「はい……あちこちでデモしたり裁判の傍聴したり集会開いたり……大学はそっちのけでしたから案の定留年したんです、そしたら父にこっぴどく叱られて、父の前でも理屈捏ねて反抗したら、もう学費も仕送りも無しだって……」
「それでも卒業したんでしょ?」
「ええ、田舎に戻りたくない一心で……奨学金を借りて、バイトに精を出して……デモや集会に出る機会は減りましたけど……でも、バイト先でもどうしても一々気になるんです、男だから、女だからって言われたり役割分担を決められたりするのが……ハンバーガーショップでしたけど、女性は主に接客、男性は主に厨房というのが気に入らなくて、結局四年間フライドポテトばっかり揚げてました、それだけは男女とも同じ扱いでしたから……」
「卒業してからは?」
「いろいろでした……勤める先々で不平等を感じるとどうしても許せなくて……どこも長続きしませんでした……それでお金がなくて……」
「借金をして……でも借りたのは50万位だったんでしょう?」
「とにかく切り詰めてましたから……でも家賃はどうにもならなくて」
「まあ、わかるわ……無理もないか……ねえ、幸恵さんはどう思う?」
 もう大丈夫だと判断したのだろう、名前を呼ぶ。


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