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大沢商事の地下室
【SM 官能小説】

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知子のショー-1

 ショー当日、知子は不安におののきながら迎えを待った。
 正直恐ろしくて仕方がない、ムチ打ち、蝋燭、逆さ吊り、輪姦……契約書には恐ろしげな言葉が並んでる、しかも大勢の前で裸にされて陵辱される……しかしそれに負けてはいけない、立ち向かうことで自分の思想はより強固になる、などと考えることで紛らわせていた。
 
 ドアがノックされた……スコープを覗くと、先日契約に来た女性。
「お迎えに来ました」
「準備は出来ています、行きましょう」
 車に向かうと運転手はいない……。
「あなたが運転を?」
「ええ、いけませんか? 運転には慣れていますが?」
「いえ……いかつい男性が迎えに来るものと思ってたので……」
「誘拐に来たのではありませんし、凶悪犯の護送でもないですから」
 幸恵が笑う。
 少し気が楽になった……目隠しはさせられたが所謂安眠用のアイマスク、それを外さないように見張る人間もいない。
「それも契約書に書いてあります、違反されれば違約金を頂くだけで……それに契約書の存在も明らかに……」
「そんなことしません」
 こうして理詰めに物事を運ぶ女性は好きなはずなのだが、なんとなく気に障る……。

 目隠しをしたまま大沢商事に連れて行かれ、階段を降りて地下室らしきところに……そこで目隠しが外された。
 まず目に入ったのは、ボンデージに身を包んだ女性……里子だ。
 長身で見事なプロポーションだが、そうやって性を売り物にしている女性は最もいけない、女性の地位向上を妨げる存在……つい、きつい目で見てしまう。
 それに男性が二人、一人は老人だが、精気に満ちている、こういうエロじじいが女性を食い物にするんだ……もう一人は長身でがっちりした体格の若い男……おそらくは女王面したあの女の僕……恥ずべき男だ。

「あなたが知子さんね? 早速だけどこれに着替えて」
 里子がなにやら黒い物を投げて寄越す、広げてみると革ベルト状のボンデージ……。
「これを着ろと?」
「契約では……」
 間髪を入れず幸恵が。
「わかったわよ、でも下着まで脱げとは書いてなかったわ」
「主催者指定の衣装以外に身につけているものは破り捨てても……」
「……わかったわよ……確かにそう書いてあったわ……更衣室は?」
「そんなものないわよ、どうせ裸を晒すんだから同じでしょう?」
 里子が事も無げに言う。
「それを着たら、その上からこれを羽織っていいわよ、ショーが始まったらすぐに脱いでもらうけど」
 バスローブも投げて寄越す、知子はバスローブを肩からかけて、ボンデージを身につけようとするが勝手がわからない。
 するとすかさず幸恵が手を貸してくれ、何とか身につけた。
「普通お礼を言うんじゃない? 手を貸してもらったら」
 里子がこちらも見ずに言う。
「……ありがとう……」
「どうしたしまして、普通。こういうものを身につける機会はありませんものね、わからなくても不思議じゃありません」
「……という事は……あなたも?」
「私も一度だけ、最初はやっぱり戸惑いましたから」
「これを着た?……」
「ここのショーで」
 幸恵は微笑を浮かべながら言う。
「彼女はプロ中のプロ、体に傷は残しません、この私が証明です、でも相当に追い込まれる事を覚悟してくださいね、肉体的にも精神的にも」
「私はちょっとやそっとで折れません」
「それが危ないんです、抗うと却って辛いですよ、受け入れた方が……」
「私はそんなことは出来ません」
「そうですか、ご自由に……ママ、準備はOKです」
「ありがとう、トイレはどうかしら?」
「そうですね……トイレ、行っておいた方がいいですよ」
「出る前に済ましましたから……」
「いえ、大のほうも……」
「それも朝」
「出来れば浣腸をお勧めしますけど」
「浣腸?……なんで……」
「脱糞しないとも……浣腸してあれば、少なくとも固形物を晒すような事は避けられます」
「何を……いいえ、そんな見苦しい事はしませんからご心配なく」
「するしないではなく、そういう破目にならないとも……」
「いいえ、大丈夫です」
「いいわ、好きにさせてあげて、後悔するのは自分だから……忠告はしたんだから」
「はい……そろそろ時間です」
「そうね、ゲストを呼びに……あなたはこっちへいらっしゃい、お呼びがかかるまでカーテンの裏に隠れるのよ」
「大仰ですね」
「演出と言って欲しいわ、別に主義主張に触らないでしょ?」
「ふん……」


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