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double-dealer
【学園物 官能小説】

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衝撃の放課後-3

身体の疼きを鎮めるところではなかった。


奈緒と野々村が一緒にいる、それだけでさっきのざわめきが再び友美の心を乱す。


(野々村と会うなら正直に言ってくれればいいのに、どうして……)


奈緒の取った行動は、友美にとっては裏切りそのものだった。


そして、友美は瞳の奥がジワリと痛むのを堪えながら、疼く欲望をそっちのけで走り出していた。







まず向かったのは、友美達のクラス・2年F組だ。


階段を駆け上り、二階の一番奥にあるそこを目掛けて、友美は駈け出した。


6時を過ぎた今、この長い廊下に響き渡るのは友美の足音だけ。


しかしそれは目標に向かうに連れ、だんだん小さくなっていた。


はやる気持ちはもちろんあった。


だけど、徐々に足音を殺して行ったのは、万が一、奈緒と野々村の気まずい場面に出くわしたくなかったから。


純粋カップルの奈緒と野々村なら、二人で会っていたとしても、おしゃべりする程度のはず。


そうは思っていたけれど、もし奈緒と野々村がキスしてる場面なんかに出くわしてしまったら、きっと奈緒に避けられてしまうかもしれない。


F組の教室までたどり着いた頃には、すでに弾んでいた息も落ち着いていた。


だけど呼吸とは反比例するように、心音はどんどん速まっていく。


引き戸の前で立ち止まった友美は、まずゆっくり深呼吸をした。


引き戸の小窓から中を覗く勇気は、まだない。


そっと目を閉じ、人の気配を探るけど自分の吐息しか聞こえて来なかった。


6時をまわったせいか、野球部の掛け声もバスケ部のドリブル音も、楽器の音も聞こえなくなっていた。


そんな静寂の中にいたのは、どうも友美だけだったようで。


いざ意気込んで、カラカラと引き戸を開け、ゆっくりと足を踏み入れたクラスの中は、誰もいなかった。


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