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大沢商事の地下室
【SM 官能小説】

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麻里のショー-1

 当日、門村に連れられて事務所にやって来た麻理は思いのほかに真面目そうな印象だ。
 髪は染めてはいるが、日光が当らなければわからない程度だし、化粧も自然、少し幼さの残る感じの屈託がない表情をしている。
 派手で生意気な女子高生を想像していた里子は少し調子が狂う。
「麻理と言います、よろしくお願いします」
 挨拶もきちんとできる。
「この人が女王の里子ママだ、こちらにも挨拶しなさい」
「はい……麻理です、あんまり痛くないようにお願いします」
 里子の目がきらりと光る。
「痛くない様にですって? あなた、いくら貰えると思ってるの?」
「12万円です」
 どうも門村のポケットに3万円は消えるようだが、この際そんな事はどうでも良い。
「何をして12万円貰うんだと思ってる?」
「裸になって、ムチで叩かれたり、逆さに吊られたり……逆さ吊りって少し憧れてたんです」
「ええ、お望みどおりにしてあげる、ムチでも叩いてあげる」
「逆さのときは止めて下さいね、苦しそうだし、それにあんまり思い切り叩かれると」
「叩かれると?」
「痛いのって苦手なんです」
「つまり、手加減してくれってこと?」
「まあ、早く言えば……」
「甘いわね、12万円貰うのにそれで済むと思う?」
「だめですか?」
「大抵は最後には失神するわ」
「え〜? 聞いてませんよ」
「門村さん、この娘にどういう説明を?」
「ハードなSMショーだとね」
「彼女から何か質問は?」
「そうですか、とだけね」
「あなた、ショーの内容については訊かなかったのね?」
「はい……」
「ちゃんと訊かないで出演をOKしたのね?」
「だって……」
「ハードだとは聞いたんでしょう?」
「ええ、それは……でもそんなにハードだとは聞いてません」
「門村さん、もうちょっと具体的な話はしてないんですか?」
「いや、縛りも吊りもムチもあると言ったよ、そうそう、輪姦されるかもとも言ったな」
「ほら、かなり具体的よ、そこまで聞いた上でOKしたんなら文句は言えないわよ」
「え〜? でもやだ、門村さん、失神するほどだなんて聞いてないよ」
「聞かれなかったからさ、聞かれないことまで丁寧に説明してくれるほど世の中は甘くないってことだ」
「そんなのないよ、あたし、帰る」
「どこへ?」
「組……」
「ショーから逃げ出して来ました、ってか?」
「……だめ?」
「決まってるだろ」
「じゃ……家に帰る」
「ああ、帰れるならな……」
「やっぱりだめ……組に置いて……」
「きちんとショーに出てからな……」
「……やっぱり家に……」
「いい加減にしろよ、ショーに出ると言って金を受け取ったんだ、約束だよ、きちんと守ってもらわないとな」
「返す……」
「もう大分使っちゃったろうが」
「貸して……」
「嫌だね、第一、もうお客さんも集まってる、ママも来てる、ここで約束を破ったら違約金を払わなきゃならないぞ」
「お金、ないもん……」
「だったらショーに出るんだ」
「嘘つき……」
「嘘なんかついていないだろ?」
「だってそんなにきついなんて思わなかった」
「それはお前が思わなかっただけだ」
「……」
 とうとう涙ぐんで黙り込んでしまった。
 里子のイライラもそれを見て少し和らぐ、(言い過ぎたかな?)という狼狽も見て取れる。
 幸恵が里子に目配せすると、麻理の肩に手を置いて優しく声をかける。
「大丈夫よ、確かに失神する事はあるけど、気持ち良くて、良すぎて失神するの」
「どうしてそんなことが言えるの?」
「経験者だから」
「え?」
「ショーではなかったけど、私も里子さんの責めは受けたことがあるの」
「本当?」
「ええ、本当よ、『失神するまで責めたわ」
 里子がぶっきらぼうに言う。
「そうなの? 苦しくないの?」
「苦しいわよ、痛いわよ……でもその先にすごい快感が待ってるの」
「お姉さん、マゾ?」
「ええ、そうよ」
「私は違うもん……」
「そうね、違うかもね、でもセックスで感じるんでしょう?」
「うん……セックスは大好き」
「それは同じだわ、だからきっと感じる、すごく良くて、良くて、耐え切れなくなって……失神するかも」
「そういうのだったら……」
「ね? そうでしょう?」
「失神する時ってどんな感じだった?」
「ふうっと天に昇って行く感じ」
「……素敵……」
「さあ、ゲスト……ここではお客様をそう呼ぶの、ゲストがお待ちかねよ、着替えましょう」
「うん……やっぱりセーラー服?」
「ええ、ちょっと前まで女子高生だったんだもの」
「うん……」


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