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「夏の出来事 5」
【若奥さん 官能小説】

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来客-4

20分ほどで、知可子は
洗い物を終えた。

それから帰ろうと思ったが
眠ったばかりのちづるを見ると
もう少し休ませてあげようと思い、
じゅうたんに座りテレビをつける。

夕方のニュースを見る。

テレビの音にもちづるは
反応せずに、ぐっすりと眠っている。

テレビでは
人気スイーツの特集をやっていて
しばらくそれを観ていた。

CMになると知可子はふと、
今日、両親が仕事で家にいない事を
思い出す。

バッグからスマホを取りだし、
弟の健にラインを送る。

【今日の夜、お弁当でいい?】

すぐに既読がつき、返事が入る。

【またー? 
 まぁ、いいけど。
常盤さんち、行ったの?】

【弁当嫌なら自分で作れ〜
 うん、今まだちづるの家。
 ちづるは諦めなさい。
 彼に、夢中な様子です。】


【は?】
【だから、俺 彼女いるってば。】


【まぁ、いいわ。
とにかく、弁当買って帰るから。】


【いつもの所で買うの?
 焼き肉丼がいい。 】


知可子はOKのスタンプを入れる。

その時。
家のインターホンがなる。

ピンポーン、と、
音が部屋に響くが
ちづるはよほど眠かったのか
全く起きない。

「、 、 、、。」

   
  どーしよ。

 なんかの勧誘かなぁ 

    もう1回、鳴ったら、、、


知可子が考えていると、
もう1度インターホンが鳴る。
簡単な伝言なら自分がちづるに
伝えようと思い、
知可子は立ち上がり玄関に向かう。

玄関の外では、
制服姿のタクミがちづるへの
言葉を探しながら立っていた。

知可子がドアを開ける。

知可子は
「はい ? 」と言いながら
ドアを開けると同時に
タクミの顔を見て
フリーズした。

「 、 、ん? 」

 ぇーーーと、 誰だっけ

   どっかで 、、、


タクミも
ちづるだと思った人物が
違う顔で、
知可子を見てフリーズした。


「、 、ぁ 。」

    
     げ 。

 

  ヤバい

   健の 姉ちゃん !


 〜っ、 、 

     
ドアを半分開けたまま、
2人は見つめ合う。

知可子が思い出して、言う。

「 ぁっ、! 健の ?」

  そうだ ! 健の友達、 、


「 あ、はい。
  新海、です、、、。」


「だよね? 
 っ ぁーー、、びっくり。
 分かんなかった。 」


「 ははっ、 、、」


「 あっ、そっか。
 ちづるのお隣さん?だっけ。」

「 そーーー、、 なんっす。 
 はい。
 お隣さん。なんです、、、。」


「うん。 、、 、あ。
 もしかして。
  回覧板? 的な ? 」

「、、、。 はい。」

「そっか。
ちづるね、今寝てんのよ。」

「 そーー、、ですか。
いや、あの、、回覧板を
ドアポストに入れる前に、、
 一声かけるんで、、その  
    いつも そうなんで、、 」


「そっかー。分かった。
 で? 回覧板は? 」

「 あ 。」

「 ?   もしや、忘れた?」

「、、、、はい。」

「えぇーー? 、、ふっ
  ウケるー。  」

「、、ははっ 、、。
ポストに入れとくって、
 伝えといて くださ  」



       あ 。

  ちづちゃん 





ちづるは、
深く眠っていたが
部屋の外の方から聞こえてくる
タクミの声に反応し
ハッと目を覚ました。

急いで部屋を出て
玄関にいるタクミを見て
立ちすくむ。

知可子がタクミの視線に気がついて
振り向き、言う。

「ぁー、ちづる。
お隣さん。 
  回覧板入れとくってー、、

   って。  え ? 」


「、 、 っ、 〜っ、  
 〜っ、   っ    」


  タクミ君


   〜っ、 、

      タクミ君だ


   来て くれた 




ちづるは、
うつ向いて泣き出した。

ちづるの
堪えながら泣いている声に
知可子とタクミの空気が止まった。


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