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オーディン
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オーディン第三話「姫様」-4

一本の大きな木の下に、ウエスタン風の格好をしたファウストと、狼のフレキが座っていた。ファウストは楽しそうに何やら話している。
「──で、それからこの腕輪を集めてるわけだ」
「ふぅん…、で、“姫様”はどうなったの」
「それは…、どうなったんだろうな」
「…知らないんだ」
「そうだな…、仕事の内容しか聞いてないからな」
「ふぅん…、ねえ、遅くない、“ユグドラシル”で待ち合わせだったよね、ファウスト」
「多分」
「多分って…」
「まあ、もう少し待とうぜ、次の話はなあ─」
「あ、ファウスト、あれそうじゃない」
「ん、来たか」


青空の下、聖樹“ユグドラシル”の葉が、妙にざわめき始めていた。


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