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14's CHOCOLATE
【コメディ 恋愛小説】

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Birthday's CHOCOLATE-3

「コノ、そんなこと言うな。ダメじゃねぇ。言ったろ?コノがいればいいって…だから」
哲希がアタシの頭のリボンを解いた。
「こんなモノ要らない。コノが今、この瞬間、俺の傍にいること事態、最高のプレゼントだよ」
哲希が笑ってくれた…。アタシが一番見たかった顔…良かった…。
「ありがとな、コノ…」
ポンポンと哲希がアタシの頭を撫でる。コレ、好きだなぁ。自然と笑みがこぼれる。
「…うん!」
「…良かったぁ…」
「え?」
安心しきったように、急に哲希がストンと座った。そして、アタシを見上げながら屈託のない笑顔でこう言った。
「ホラ、この間俺がコノのデコ触ろうとしたら、一歩引いただろ?あん時めっちゃ辛かったんだ。心が離れちゃったのかと思って…でも、今コノに触れたからすげぇ嬉しい…!」
…アタシはピーンと来たね。
「哲希…やっぱちゃんとしたプレゼント、あげたい。明日のこの時間またココで待ってるから…」
そう言うとアタシはカバンを引っ掴んで走りだした。逃げたんじゃないよ?向かうは…内緒。

次の日の同じ時間、アタシは同じように屋上にいる。そして、昨日みたいに「コノォ?」と言いながら、哲希がアタシの向かい側に立つ。
「どうしたんだよ?」
「プレゼント渡すんだよ!」
「俺、昨日言ったじゃん!!コノがいいって」
「違う、聞いて?最初に、ありがとう…アタシにやれば出来るってこと教えてくれて…」
「え?」
「昨日ね、あの後糸買いに行って、コレ作ったんだっ」
アタシはブレザーのポケットからそれを取り出した。
「…ミサンガ…」
「そう。初めてまともに作れた…哲希のためって思ったら頑張れた!哲希チョコ好きって言ってたでしょ?だから、チョコレート色の糸とアタシが巻き付けてたピンクのリボンと同じ色の糸だよ!!」
アタシは少し笑った。とんでもないことしちゃったけど、忘れられない誕生日になったかな?
「…実はさ、アタシとお揃いだったりするんだよね、ホラ」
そう言って、哲希に左手を見せた。ちょっと歪だけど、色も編み方も一緒のお揃い。
「だから、受け取ってほしいな…付けてくれれば、アタシたちは繋がってる…心も離れることは無いよ」
アタシは哲希の目を見つめた。本当だよ…アタシはココにいるよ。離れたりしないよ!!
哲希はしばらく黙って瞬きもせず、アタシを見つめ返していたが、一回フゥーって息を吐くと
「ありがと、コノ。じゃあ、右手に付けて?」
と右腕をアタシが結び易い位置に差し出した。
「うん!」
アタシはすぐにミサンガを付けてあげた。哲希は「すげぇな!」とか言いながらミサンガをまじまじ見ている。
「何で右手なの?」
別に深い意味はなかった。対して気になっていた訳でもないけど、何となく聞いてみたりする。
「何でって…」
哲希はいきなりアタシの左手をギュウッと握った。本当びっくり…ドキドキするじゃんっ。
「こうやって手ぇ繋げば、本当に繋がってるってことだろ!!」
そうだ…アタシはこの顔が見たくて頑張ったんだ。普段からは考えられないくらい、無邪気で純粋な笑顔。アタシの元気の原動力!!
初めて繋いだ哲希の手はアタシのより大きくて、アタシを包んでいるんじゃないかと思うくらい、すごく暖かかった。人の体温てこんなに気持ちいいんだ。
「コノ…本当に本当にありがとう。…大好きっ」
「アタシも大好き…」

ねえ哲希、アタシは絶対に離れないよ。ずっとずっと繋がってるよ…チョコレート色のミサンガに誓って…。


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