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14's CHOCOLATE
【コメディ 恋愛小説】

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Birthday's CHOCOLATE-1

萩原コノ子、14歳、旦那持ち。
そう、大好きなダーリンがいるんです。ダーリンはアタシを『コノ』と呼ぶ。前は呼び捨てだったのにっ。キャッ、アタシたちラブラブだわ!クラスは変っちゃったけど、全然平気!休み時間になれば廊下で話せるし、逆にそっちの方が会えた時嬉しさ倍増っ。なんちってぇ〜!!アラごめんなさい?幸せすぎですの!!
だけど、ダーリンこと橋田哲希と付き合って早一ヵ月…。今アタシには、ちょっとした悩みがあるのでした…。
それは…もうすぐ哲希の誕生日なんですよ!!15歳の誕生日なんですよ!!三十路折り返し地点っすよ!!付き合って初めての誕生日なんですよ!!そしてそして、何あげればいいのか全く全然少しもわからないんスよぉーっ!!
…だってさ、初めてだもん。『心に残る』かつ『物体としても残る』モノがいいじゃん。その上、気持ちのこもってるモノがいいじゃん。しかも、学生さんはお金が無い。てことは、リーズナブルなお値段じゃなきゃいけないじゃん。でさぁ、そんなプレゼントあんの?この世にあんの?ねぇ、あるなら今すぐアタシに教えて下さいませ…切実です。

「手作りしかないんじゃない?」
「日菜…まさか、忘れた訳じゃないよねぇ。アタシがフライパン握れば必ず炎が出現すること…」
「ミシンを使えば必ず原因不明で故障すること…」
「編み物をすれば編み棒は何かしらの事故で真っ二つになること…」
アタシは典型的なダメ人間だ。ダメ人間の見本だ…。うぅ、自分で自分が情けない…もう少ししっかりした人間になりたかったなぁ。何にも出来ないんだもんなぁ…はぁー。どうせ、無理だし、手作りは却下ッ!!
アタシが日菜と、プレゼントは何がいいかな会議も中盤に差し掛かったその時―。
「だぁれだっ!!」
視界が急に真っ暗!?だけど、声の主はすぐにわかるのです。
「哲希ィ〜」
パッと手が離されて、アタシは振り向く。
「…伸…」
伸じゃん。と、思いきや「ジャジャーン」と伸の後ろから哲希登場。ふっ…こんな子供騙しに引っ掛かるとは。アタシもまだまだ甘ちゃんだね…。
「何話してんの?」
伸は日菜を小突いた。
「ん?んーと、いろいろ!ね、コノ?」
日菜はアタシに気を遣ってる。哲希の前で誕生日プレゼント何がいいか思いつかなくて会議してた、なんて言えないよな。
「あ、うん。いろいろ」
「そういえばさぁ、哲希君てもうすぐ誕生日なんでしょ?」
「おぉ。もうすぐ三十路の半分だ!!」
おい、威張るな!胸を張るな、胸を!

何で今更…?日菜はいつ哲希の誕生日か知ってるのに…。あれ??日菜がアタシを見て口をパクパクさせている。んー…よ、く、ね、つ、し、ね。よく熱、死ね!?はぁ?…いや、なわけないか。アタシは日菜にしか見えないよう、人差し指を立てて「もっかい」と合図した。またパクパクが始まる。…ちょ、く、せ、つ、き、け。…直接、聞け!!あぁ!!あんたって奴は、だから誕生日の話題を出した訳ね。てことで、甘えさせて頂きます!!
「ねっ!!哲希、何が欲しい?」
本人に欲しい物聞けば一番早かったのに!!アタシってつくづく馬鹿ね。
「んなこと、急に言われてもなぁ〜…」
うーんと腕組みして考える哲希。ぶつぶつ呟きながら相当真剣に考えてる、というか慎重に厳選してる。高いもんだったらどうしよう。新聞配りするしかないな…。援交!?は死んでもイヤッ!
「あっ!あった!!」
哲希はアタシの頬をぷにっとつねった。
「コノがいい♪」
……………………………。えーと…待て待て。
プレゼントがアタシ!?アタシの…かっ、体!?それってまさか、裸体にリボン巻き付けて「アタシがプレゼントよ〜ん、うふっ」とか言って、ウンタラカンタラ…って奴じゃないですか!?まだ14歳のアタシに、清く美しい14歳にそんなふしだらなことをしろと…!?


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