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変態学園の日常
【学園物 官能小説】

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第20話 29番日誌20-3


―― 7月○日 曇り、所により雨 ――

 ワークショップも3回目となれば、流れがイメージできるから緊張せずに受けることができた。 弁護士が来てくれて、総合学習というよりは、社会の延長みたいな時間だった。 

 なお、現代社会に『暴行』『傷害』『殺人』『窃盗』といった犯罪はない。 『詐欺』『誣告(ぶこく)』も存在しない。 仮に存在した場合、最も想像したくない方法で社会から退場しなければならないため、何があっても不法行為をしないことは、社会人の常識だそうだ。 じゃあどんな犯罪があるかというと『牝性放棄』『牝性不作為』『牝性失念』の3つで、『牝性欠失』と総称している。 細かな違いで名称が分かれているけれど、要するに『牝としての嗜みを怠る』が罪というわけだ。 例えば『上司に恋愛感情を抱く』ことや『公衆の面前で自慰を躊躇う』こと、『路上で突起を跨ぐ際に股間を摩擦させることを怠る』などが該当する。 このような『牝性欠失』があった場合、上司が『簡易裁判所』に通告し、弁護士の出番がやってくる。 なお弁護士が対応するのは『A・B・Cランク』までであり、これは『A〜Cランクは養成コストが大きいため、一度のミスで抹消するのではなく、再起を図る方向で処置する』という方針があるためで、『D、Eランク』に『牝性欠失』があった場合は即座に廃棄処分になると聞いた。

 弁護士とは、テレビ電話を通じて裁判官の判定を仰ぐ『簡易裁判』において、『被告の反省』を主張し、裁判官が納得する範囲の『量刑』を提言する仕事だ。

 『反省』の表現では、裁判官が求める静粛を乱さない範囲において、自慰で発情する姿を見せたり、排泄及び排泄物の口内処理を平行したり、裁判所の床に股間を擦りつけて匂いをマーキングさせたりといったふしだらな行為を指導する。 清潔を好む裁判官に対しては、とにかく自分の穴という穴を極限まで拡張し、一片の汚濁もないことを示させる(勿論事前に浣腸、鼻垢除去といった準備をしている)。 人情味に重きをおく裁判官には、自分で頬やお尻をビンタし、全身に自罰の手形をつけてから入廷させるといった工夫をする。 この裁量を被告に伝え、キッチリ実行するように指導することが、弁護士の大切な仕事だ。

 続いて『量刑』では、被告が耐えることができ、なおかつ裁判官が納得するであろう『罰』を提案しなければいけない。 もしも『罰』が軽すぎて裁判官が納得できなければ、被告は即座にEランクに落とされて、ただの素材に格下げされる。 逆に『罰』が重すぎて被告が耐えられなければ『刑務所』に収監され、一から精神、肉体を鍛え直される。 絶妙な匙加減が要求される量刑判断こそ弁護士の面目躍如といえるそうだ。 この量刑判断を成功させるため、弁護士は士業についてからも日々の勉強が求められる。 勉強とは、『罰』のレパートリーを増やし、その『罰』がどの程度の負担なのか自分で体験することだ。 換言すれば『常に新しい罰を自分自身に課す』という意志の強さこそが、弁護士に最も必要な素養という。 

 なお、裁判で『牝性欠失』が認定された場合、担当の『公認馴致士』は『監督不行き届き』で『罰』を受けなければならない。 ゆえに社会に出た牝に対して普段から『牝性』を意識させねばならず、必然、公認馴致士は担当牝の指導に力が入るそうだ。 どんな『罰』か知らないけれど、弁護士さんの話を聞いたあとだから、想像する気力も浮かばなかった。

 講義の終わりに『一番大変なことはなんですか』と質問したら、『千枚通し付きのバイブで絶頂』や『誘導コイルで恥部を貫通』、『加熱した鉄板の上で土下座し、乳房を10秒間押しつける』といった激痛系の罰を勉強するのが一番大変だ、サラリと笑顔で教えてくれた。 弁護士にはカッコいいイメージがあったけれど、少なくとも私の中では、弁護士は完膚なきまでに選択肢から除外された。

 ワークショップでは、弁護士の適性チェックをした。 被告人に『適切な罰』を宣告するためには、『罰』をしっかり把握する作業が欠かせないから、弁護士は自分自身を苛める覚悟がなければ勤まらない。 ということで、全身に鰐口クリップを噛ませ、高圧電流を流しながら、どこまで電圧を上げることができるかを競う。 激痛に耐えながら電圧をあげ、自分で気絶できれば合格だ。 ただ一気に電圧を上げてしまうと一瞬で気絶してお終いになるため、電圧調節ネジはキツキツに締めてある。 電圧を最大に上げるためには、痙攣する身体を抑えながら、ネジを離さず、痛みに耐え、数分に渡って意識をもったまま耐えなくちゃいけない。 

 結局気絶するまで自分を追い込めたのは、クラスでたった1人だった。 【22番】さんだ。
 電圧をあげた順番に、2位は【2番】さん、3位は【30番】さん、4位は【15番】さん。 この5人は『弁護士としてやっていける可能性がある』そうだ。 1クラスに5人もいるなんてスゴい、と褒めてくれた。 ちなみに私を含めて開始一分以内に舌を攣らせながらギブアップした面々は、可能性すらないそうで……弁護士になりたい気持ちは全くないけれど、正面きって否定されると妙に悔しい。 どうせならもうちょっと頑張れたかな……いや、たった1分でも、私にしたら頑張った方だ。 【22番】さん達が凄いのは今に始まったことじゃないし、せめて自分で自分を褒めてあげた。

 そんなこんなで、今回のワークショップが今までで一番キツかったです。 およそ幼年学校で習った弁護士と違っていたけれど、なんとなく仕事内容は理解できました。 講演内容もワークショップもハード過ぎたから、弁護士になりたいとは思えないけれど……でも、社会にこういう職業があることを知れたことは良かったと思います。 まる。


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