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MOTHER 『僕』
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MOTHER『鬱』-1

桜が散る頃 私には何もなくなっていた
彼はあの日の言葉どおりに私の前から姿を消し
今まで一緒だった私のなかの彼の分身さえ空になった
私は

私は独りになった

独りになった私に残ったもの

あまりにも大きすぎる虚脱感

私に未来なんかやってこないのではないかと 怯えながら孤独と向き合わなければならなかった

あの日から両親は私と距離を置くようになった

たまに合う母との視線も 悲しみの色が強すぎて直視出来ない。 すぐに逸らしてしまう

私の居場所なんてない

私は犯罪者なんだ

人殺しなんだ

この手で簡単に捻り潰してしまった

私は 

私は ヒトゴロシ

自責の念に捕われたら逃げられなくなった

気晴らしに外へ出ても 周囲の目が恐い

立ち話をしてる人を見ると皆私を指差している気がする。

『子供堕ろしたって』

『人殺しじゃない』


違う!違う!違う!

やめてよ!やめて!いや!
気分が悪くなる。

気が付くと私は遮断機の前にいた。

カンカンカンカンカンカン
遠くから轟音が近づいてくる

私の足は下りた遮断機に向かう

ゆっくりと 一歩ずつ

ヒトゴロシ ヒトゴロシ

うわごとのように呟きながら

プァー…ン

私の身体は大きく宙に舞った。


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