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『キューピットの恋』
【青春 恋愛小説】

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『受身な恋〜キューピットの誤算〜』-3

その後、結局放送委員を含めた4人は仲良くお説教されることになり、教室に戻ったあとはクラスメイトにちゃかされて大変なめにあった。
そして放課後…僕はいつも2人で弁当を食べていた場所にいた。もう、かれこれ1時間は経つ。
「やっぱ、来ないかなぁ…」
それでも諦められなくて、もう少し待とうと決めたときだった。
「…お待たせ…。」
ずっと待ち望んでいた声。
「…来て、くれたんだ。」
ゆっくり振り返ると、舞ちゃんがうつむいて立っていた。
「今相談されてる子のが済んだら、キューピットは廃業にするよ。」
そう告げると、僕は舞ちゃんの言葉を待った。
「…もう、待たせたりしない?」
「しない。」
一歩前に舞ちゃんが出た。
「…私に好きでいさせる努力する?」
「する。」
舞ちゃんがもう一歩前に出る。
「…私に好きだって伝える努力する?」
「する。」
舞ちゃんの目に、涙が浮かんでいる。
「…もう、受身ばっかりはやめる?」
「やめるよ。」
「ん…じゃあ、仲直りしよ?」
僕はうなずいて、舞ちゃんをぎゅっと抱きしめた。
「ねぇ、私、嫌いになんかなってないよ?」
そう舞ちゃんが言った。
「あれ?涙声だよ?泣いてるの?」
つい照れくさくて、からかってしまう。
「もう、バカ!」
だけど許してね。もう遅刻はしないし、ちゃんとデートにだって誘うよ。これからはもっと好きになるから。もっと好きにさせるから。だから、これからもよろしく、舞ちゃん…。


〜完〜


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