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3-6

それからなのだ、結衣さんと一切連絡が取れなくなったのは。


幸い連絡先は聞いていたから、多分大学かバイトがあって、それで先に帰ってしまったんだろうくらいに軽く考えていた。


だが。


電話を掛けてもアナウンスが流れるばかり。LINEもそもそもやっていないらしくメールを送るけどこちらもなしのつぶて。


そうなるとドンドン不安と焦りが押し寄せてくる。


何か嫌われるようなヘマをしてしまったのだろうかと、あの日過ごした自分の行動を何度も振り返ってみるけれど、どうにも思い当たる所がなく、ただただ悶々とする日々だけが過ぎていた。


「曽根、そんだけ拒否られたらもう完全にアウトだって。割り切って次に進めよ」


「いや、拒否られるってそんなはずはないんだ」


だって、俺のことが嫌いだったら、ホテルに誘うか?


ホテルでの俺の行動だって、結衣さんを思いやった行動だし、「大事にしたい」ってはっきり言葉にもして、彼女は感激の涙を流していたじゃないか。


俺の正直な気持ちを打ち明けたときの結衣さんの涙を、その後二人で過ごした楽しい時間を思い出したら、結衣さんが俺を嫌いになったなんて到底考えられない。


だけど、連絡がつかないというのも事実であって。


あー、ちくしょう。結衣さんに何かあったんだろうか。


「まったく、異性慣れしてない人間の執着心って恐ろしいもんだね」


前田は皮肉たっぷりにそう言いながら、身体を起こして壁にもたれかかった。


“執着心”その言葉で、ふとある事が思い浮かぶ。


「そう言えば、こないだの女はどうした?」


前田がナンパしてヤッた女が、恋人気取りになってしまいストーカー化していたっていう、あの女。


前田のSNSに凸したり、アパートの近くをうろついたり、やってることはヤバいけど、今の俺ならその気持ちが少しは理解できそう、そんな気がして。


チラリと奴の方を見やると、端正な顔が思いっきり苦笑いになった。


「ああ、あれね。頭に来たから、もう直接言ってやったんだよ。『ナンパなんかで本気になるんじゃねぇよ、俺がお前なんかと付き合うわけねえだろうブス』って」


「……マジで? お前、それはいくらなんでも言い過ぎだろ」


「だってよー、そういうのって少しでも優しさ見せたら絶対勘違いするだろ? だから心を鬼にしたんだよ。その甲斐あって、ようやく収まった」


その時の事を思い出しているのか、前田の顔が苦々しく歪んだ。



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