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尚代
【SM 官能小説】

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契り-6

「さぁ、またたっぷり中に出してやるからな。まだまだ子種は充分に残っているからな。……もう一度、強い男の精をしっかり受け止めるんだ」
「いやあぁ……もう……やめぇ……ああああぁぁ、いやぁ……できちゃう……」
 言い終わらないうちに、肉棒が奥を目指して激しく腰を動かした。
 ブビッ、ブビッ。
 早くしろと言わんばかりに、肉壺が不満げに鳴っている。
「お願い……もう……もう……」
「もう……なんだよ……言って……みろよ」
「やぁめぇ……てぇ……できっ……ちゃうぅっ……うっ……うっ……」
 肉壺がまた締め上げてきた。男は二度目なので少し余裕が出てきた。
 尚代は最初は男の動きに声で応えるだけだったが、やがて、顔が反って、顎が上がってきた。膨らんだ鼻孔から、また太い息が出ている。
(とうとう、俺のものにしたぞ。……よし、もっと……)
「ああ……いやぁ……もう……もう……」
 男の屹立が飛び出しそうになるくらい、肉壺がきつく締めはじめた。
 そのときだった。
「いやあぁ……なにぃ……どうしたのぉ……」
「やっぱり、止めようか」
 男は腰の動きを止めた。
 男は、尚代を焦らしてやろうという不埒な気持ちが湧いてきた。
(よし……もっと、もっと欲しがらせてやる)
 不意の停止に尚代は戸惑っている。目はまだ宙をさまよっていた。
「いやぁ……」
 尚代の腰が屹立を求めて静かに前後している。
「動かして欲しいのか?」
「いやぁ……」
「動かして欲しいって言え!」
「いやぁ……うううっ」
「欲しくないのかよぉ」
「ああああぁぁ」
 腰を十回ほど前後して静止する。右手はあいかわらず女の尖りを擦り続けている。
「言うんだよ」
「ひどぃ……いいい。いやぁ……」
 また数回、今度は腰を激しく使う。そして右手の親指が、尖りが凹むくらい強く擦り、答えを急かした。
「いやぁ。言えない……うううう……」
「言うんだよ……さあ……」
 今度はゆっくり、ゆっくりと腰を動かす。
「ひどい……ねぇ……」
 眉根が寄っている。
「ねぇ……おかしくなりそう……ねぇ……」
「なんだ、はっきり言えよ。そうじゃないと、いつまでも終わらないし、いつまでもこれを続けるぞ」
「ううう……ああっ……はぁ……」
「終わりにするかな、そろっと……」
「いやぁ……このままじゃ、いやぁ……ねぇ、うご……かして……」
「何っ?良く聞こえない」
「動かして……お願い……」
「動かすだけで良いのかよ」
「いい……いいのぉ……」
「奥さんだけまた、満足かよ。……俺はどうすればいいんだ」
「動かして……」
「じゃぁ、俺の言う通りにちゃんと言えよ」
 耳元で囁いた。
 その言葉に尚代の顔がこわばった。思い出したように、歪んでいた顔が真顔になってきた。屹立の魔力に立ち向かうような顔つきにも見えた。
「いえないわっ!……そんなこと」
 と同時に、肉壺がドロッと弛んできた。屹立と肉壺の間に空間が少しずつできている。
「じゃぁ、おしまいだ。あとは奥さん、自分で……」
「えっ……」
 男は、腰を不規則に動した。
 ブリュリュッ。
 肉壺から空気の漏れる音が鳴る。
「言いますぅ。……言うわぁ……」
「さあ」
「種付け……してください。赤ちゃん……つくって……」
「もっと、大きな声で……」
「誰にだ?」
「尚代に、種付けしてください!……赤ちゃん、つくってください」
「お願いが抜けている」
「尚代に、種付けしてください!お願い!赤ちゃんをつくってください」
「もっと大きな声で!」
「お願いです。尚代に、種付けしてください!お願いします!赤ちゃんをつくってください」
 先ほどまでの甘えて強請るような話し方から、何か少し変わってきていた。
 尚代の興奮がかなり冷めていっているのに、男はまだ気が付かない。
「よし、わかった。……奥さんの、望みをかなえてやる」
 男は焦らしに焦らしたが、求めたとおりの尚代の受け答えに大満足だった。 
 ご褒美だと言わんばかりに、激しく屹立を動かし始めた。
「ああっ……あっ……あっ……ああん……」
 ほどよい滑りで、気持ちの良い刺激が男の股間から全身に伝わっていく。
 ここにきて、尚代の発する声が、単調であまりにも規則的になっているのが気になった。なにか芝居がかった優しい口ぶりになっていたこともだ。
(何か素直すぎる……それとも、完全に俺に支配されてしまったのか.……まぁ、俺の考えすぎか?)
 このとき、尚代はあることを考えていた。そして、ドロンと濁ったような目に、少しずつ生気が戻ってきていた。
 そのことに男は気がついていなかった。


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