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菩薩恒作衆生利( ぼさつこうさくしゅうせいり )
【ロリ 官能小説】

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帰国-4

うつ伏せの体の下が冷んやり柔らかい。蝉の声が聞こえる。蝉の声? ハンガリーじゃない。
僕は目を開けた。しばらく眠っていたようだ。イーラの上に被さる形で僕は寝ていた。
まだ眠っているイーラの顔をつくづく僕は眺めてみた。大人らしく彫りが深くなってはいるけれど、紛れもなくイーラここにがいた。唇にキスをしたら、イーラは目を覚ました。
「あたし寝てた?」
「うん。僕も。」
「あんまり気持ちよくて、途中から覚えてない。」
「腰が空になったみたいだ。力が入らないよ。」
イーラは笑ったが、すぐ真面目な顔になり
「お兄ちゃん、あたし、妊娠した気がする。気がするだけなんだけど、分かる。今日ね、そういう日なの。あたし、もう大人なの。会えたら嬉しくて、そんなこと忘れちゃってた。どうしよう。」
僕は、湧いてきた決心を伝えた。
「結婚すればいいよ。」
「結婚。できるの? でも学校は?」
「通えるよ。そういう学校だ。もう本当に家族になれるんだよ。それともカナダに戻るつもりだった?」
「ううん。先のことはこっちで決めようって考えてた。イザベルと卒業したいし、お母さんも、これからはいつでも会えるんだからそれでいいって。家族。あたしの家族は世界中にいるのね。ふるさともたくさんあるのね。」
「赤ちゃん、できていなかったら?」
「できるまでしようよ。お兄ちゃん、どうせやめられないでしょう?」
乾いた汗にイーラの髪がにおってきた。身を起こしたら、下のほうから動物的なにおいがしてきた。男女の混ざった人間のにおいだった。
「シャワー浴びようか。」
僕はイーラに手を差し伸べた。
起きた途端、入り口のドアが開いた。部屋に明るく日の光が差し込んだ。ラサが立っていた。
「あんたたち、戻ったっていうから来てみたら、早速なんなの? 変わらないのね。変態きょうだい。二人ともお帰りなさい! あとで飲みに行かない?」


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