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離婚夫婦
【熟女/人妻 官能小説】

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悲しみのシーサイド-1

 月曜日、奈津美は店に出勤しない。
 週明け早々遅くまで仕事をするのは嫌らしい。だから、火、金、土の週3回が基本的な出勤日だ。
 自然と、豊川が来店する日もその3日のうちのどこかということになる。
 豊川はこの週、週末まで泊まりの出張が入っており、店に顔を出せるのが土曜日になってしまう。そのことを伝えられないまま奈津美が帰ってしまったので、その旨をメールで送っておいた。
「わかったよー。お土産楽しみにしてるね💛」
 この間の一件から、奈津美に少し変化が現れたような気がする。どこか刺々しいところが、ちょっとだけ丸くなったように思えるのだ。
 まだ2日しか経っていないが、なんとなくそう思えて仕方が無い。ツンケンしているところも奈津美の魅力の一つであったが、そのへんは気を遣わなければならない部分でもあったので、少し気が楽になったようにも思えた。

 今週、豊川は多忙だった。東京の著名なイベント会場で展示会が開催される。社内各部門より選抜された展示会委員の一人である豊川は、設営からアテンド、後片付けまで張りついていなければならない。
 通えない距離ではあるけれども、展示会委員は近隣のビジネスホテルに宿を取り、普段はあまり一緒にならない他部門や他営業所の面々との親睦を深めることが会社の風習となっているため連泊でホテル住まいとなる。
 どっちみち、設営(準備)の時には、遅くまでかかるのでアパートまで帰って来るのは物理的に不可能でもあった。
 なかなか会う機会の無い同僚もいるので、日々一席設けることになるであろう展示会は楽しみでもある。

 月曜の昼会場に入り、準備に取り掛かる。水曜まで準備し、木曜から土曜日までが展示会期間となる。
 月、火は展示ブースを装飾する業者との打ち合わせや、各部門間での最終打ち合わせなどで一日があっという間に過ぎていった。
 火曜の夕方にはブース設営にも目処が付き、多少の余裕が出てきたので、展示会委員で夕食を兼ねた決起集会を開くことになった。
 居酒屋で開催された決起会は、委員に選ばれた10人全員が出席した。
 その中には、同期で仲の良い飯島もいた。飯島は、本社の販売企画課の課長代理として辣腕を振るっている。
 元々は豊川と同じ営業の最前線で働いていたが、昨年、本社の販売企画課長代理に抜擢された。
 乾杯の後、各々に酒を注ぎ終えると、どちらからともなく隣に座った。
「別れたんだって」
 こういった遠慮無いことを言ってこれるのも同期の仲であるからこそ。
「ああ。良く知ってるな」
「精三さんから聞いた。物流会議の後飲んだんだって?精三さんも気にしてるみたいだぞ」
 離婚直後、勤務先では物流体制見直しのための会議が開催された。社内からは、物流関連部署の他、各営業所の所長代理クラスが呼び出された。
 精三さんとは、物流部の次長で、新卒の新人研修で知り合い、その後も相談に乗ってもらったり何かと面倒をみてもらっていた。
「そうか。精三さんには色々と相談に乗ってもらっていたからな」
 離婚話が表面化し、これからどうしたものかと精三さんに相談していた時期があった。
「あれか、若い女囲っていたのがバレたとか」
「フフン。お前は超能力者か?」
「何!?当たったのか?」
「ああ、丸っきりその通りだよ。まあ、カミさんにも問題があったってのもあるけど」
 離婚理由の上位は異性関係によるもの。つまりどちらか、または両方の浮気が原因。飯島は超能力者でもなければ、勘が鋭いわけでもない。離婚と聞けば、浮気だろって答えると大抵は当たるはずだ。
「へぇ、あのおとなしそうな奥さんが男作ってたってことか?」
「そういうことだ。若いツバメと、俺には見せたことないような笑顔で腕組んでいたよ。どんな奴かまではわからんけど」
「見たのか?」
「ああ、ばっちりとね」
 望未の男のことについてはそんなに興味が無かった。冷えた夫婦関係だったことを思うと、誰が望未に手を差し延べたとしても、いつかはそういう関係になっていただろう。
 自分の落ち度を棚に上げて、望未の男関係を詮索するつもりはなかった。
「で、お前とその若い女っていうのはまだ付き合ってんだろ?」
「ああ」
「じゃあ、再婚か!?」
「それはどうかな!?向こうが結婚に対してどう思っているかもわからんし、俺自身もどこか踏ん切りつかない部分もあるし」
 飯島に対しては『踏ん切りがつかない』と言ったが、土曜日のSEXを含めた一連の流れと奈津美の言動から、奈津美との結婚をちょっとだけ意識し始めていたところだった。
「まあなー、俺は再婚したことは無いけれど、こういう話は勢いもあるからな。そう焦らんでも、時期が来れば自然とそういうことになるんじゃないのか?付き合いだってそんな短いってわけではないんだろ?」
 奈津美と付き合い始めて2年が過ぎていた。丁度去年の今頃に、離婚の直接的な引き金となった奈津美の「来ちゃった事件」が起きた。
 おそらく望未に自分の存在をアピールするために図ったのだろう。結果として、奈津美の思惑通り離婚につながった。
 その頃は、奈津美の結婚へのテンションはかなり高く、その自尊心の高さから直接『結婚』を口にすることはしなかったが、結婚アピールオーラは十分感じていた。
 飯島の言う『勢い』は正にそのタイミングだったんだと思う。このまま破局となれば、機を逸したことになる。
「浮気する勇気もない俺からすれば羨ましいかぎりだよ」
「けど、結局離婚したんだから、羨ましいことばかりじゃないぜ」
「そういうもんか」
「今だから思うんだけど、家庭円満っていうのが一番だよ。特に子供と離れた生活をしてみると、しみじみと実感するから」
「そうだなー、子どものこと考えると、そうなるな」
「今更そんな事言ってみてもなぁ」
 奈津美とは順調ではあるけれど、菜緒のことを想うと・・・



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